構造計算って専門的でとっつきにくいと思っていませんか。
物理・数学が苦手な人でも、逆転の発想でルールと結果を見れば、構造計算の中身はわからなくても、暗算で耐震等級3を標準化できるようになります。その上、地域工務店が売れるためのデザイン性を向上し、お客さまの要望も受け入れ、さらにコストダウンも見えてきます。
2025年に四号建築物が無くなれば、いよいよ構造計算に取り組む必要もあります。
難しいと思っていた構造計算が算数レベルでできる逆説の構造概論を連載します。
◆算数で考える構造計算
「とにかく、2025年までには構造計算できる様になっておきたいですね。」
構造計算も、難しく考えれば構造を専門に研究している大先生でも悩む位に複雑ですし、スパコンを駆使しなければ解けない可能性があることも前回話しました。
でも、それでは誰も手がけませんから、どの工務店でも比較的簡単に取り組めるように構造計算を単純にして法制化してあることも話しました。
それでも、まだ、難しくてハードルが高く感じてしまいますよね。
たとえば、構造上の大事な計算式の1つですが、次の式はどうですか?
「cmって長さでしょう? その4乗ってどんな数値ですかね?
こんな式があるから、構造計算って敷居が高い!」
そう、でも式が分からなくても、梁背は自動で配置してくれますし、残ったエラーを材を補強して消せば良いことで、とにかくブラックボックスを信じて使ってみれば良いことです。
その様に考えれば、数学どころか算数の感覚で構造計算も使える様になります。
ということで、構造計算の概念に入る前に、今回はもう少し小学生で習う算数の感覚を思い出してみましょう。
突然ですが、次の問題は懐かしくないですか?
「たしかに懐かしいですね、『つるかめ算』ですかね。昔習いました。
確か、鶴の数を「x」とし、亀の数を「y」としたら、鶴の足の数が「2x」で、亀の足の数が「4y」となって……」
小学校の算数で習った問題ですから、それほど難しくはないはずですが、残念ながら、その方法では中学生になって習う数学式を使っているので、求められている答にはなりませんね。
小学生の算数では、この問題を文章だけで解いていたはずですが?
その答えは、「もし、すべてが鶴だったら……」で始まります。
もちろん、鶴を亀に変えても同じ答えが導かれます。
じつは算数で、とても大事な問題解決の手法を教わっていたのです。
「この『つるかめ算』が、どんな風に構造計算と関係するんですか?」
耐力壁の長さに壁倍率を掛けて「x」cmとし、重心からの距離を「y」cmとし、「x」cmの総和が必要壁量をクリアし、「x・y」で求められる偏心率が規定値をクリアするのが、
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