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2017/09/29 11:07 - No.145


第4回 フィンランドの住宅とサウナ


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北欧住宅事情(フィンランドから)
大村 裕子

2017/09/29 11:07 - No.145

 

フィンランドのヘルシンキ在住の大村裕子です。

フィンランドの建築について住宅を中心に、建築士の視点でレポートしていきます。


フィンランド人にとってのサウナ=日本人にとっての浴槽


皆さんご存知のサウナ、saunaは実はフィンランド語です。フィンランド人にとってサウナは欠かせません。住宅には必ずと言っていいほどサウナがあります。頻度は毎日入る人、週1回の人、それぞれですが、日本人にとっての浴槽に近い感覚です。

住宅では日本の1坪ユニットバスと同じくらいの大きさのサウナが一般的です。大体大人3名または夫婦と子供2名で入れるサイズです。

サウナとは家族や、友人同士など大事なコミュニケーションの場です。日本の銭湯のようにフィンランドでは公共サウナもあります。公共サウナでは、知らない者同士でも話が弾んだりします。昔は政治家が大事な交渉はサウナでしていたとも聞きました。今は男女平等で有名なフィンランドですので、それはないと思うのですが。

さて日本のサウナとの一番の違いは、サウナストーンにひしゃくで水をかけることです。常に誰かが水をかけるので、その瞬間、温度が上昇し蒸気が広がり、ミストサウナの様になります。

これは結構病みつきになります。私も日本ではそれほどサウナは好きでなかったのですが、フィンランドに住んで大好きになりました。

一方でフィンランドの住宅では、浴槽はほとんど見かけません。高級な住宅でもそれほど見かけません。あまり必要とされていないようです。ハウジングフェアでもサウナはどの家にもありましたが、浴槽は数件のみでした。この住宅では浴槽がありますが、日本とちょっと配置の感覚が違うように思います。


集合住宅のサウナ

集合住宅を設計する時シャワーのみで浴槽がないのが普通ですが、サウナは各家庭に設置されます。各戸にサウナがない場合は、集合住宅の住民が交代で使用できる 共同サウナが設けらます。共同サウナでは、曜日によって男女別で使用できる場合、また家族で週1回例えば日曜日の18時から19時というように割り当てが決められる場合があります。

共同サウナは地下にあることが多いですが、最近の新築集合住宅では最上階の景色が楽しめる場所にあえて配置することもあります。サウナでリラクゼーション、コミュニケーションを楽しみます。日本の高級集合住宅で最上階にゲストルームがあり、ゲストを招待してパーティーができるのと近いかもしれません。

 

このマンションでは、大きな鳥の巣ようなオブジェが見えます。これは実は共同サウナのバルコニーです。マンションが新築ラッシュのヘルシンキ・アラビア地区では、この様な最上階サウナをよく見かけます。


サウナ設計のポイント、最も大事な動線とは

以前フィンランドの設計事務所で、集合住宅の共同サウナを設計したことがあります。実はその時所長に「これは動線が良くないね。サウナで温まったあとすぐ外に出られないよ。」と指摘されてしまいました。

フィンランド流のサウナの入り方ですが、まずサウナで温まりその後ベランダや外で涼みます。そして少し寒くなってくると、またサウナに戻るのです。これを数回繰り返します。これで血行が良くなり、サウナから出た後も快適な気分が続くと言うのです。

私のプランは、サウナに続いてシャワー室その横にリビングルームがあり、そこから外のテラスに出るようになっていたからです。確かに濡れた足で、リビングルームを通らなければなりません。


このプランはサウナ動線の良い例です。中央近くにある茶色の部分が、サウナです。サウナからシャワールームを通り、直接テラスに出て涼むことができます。 

またフィンランド人はベンチに座るだけでなく、ゴロンと寝そべるのこともあるので、最上段のベンチは深めに850900㎜ほど確保します。

サウナは昔も今もフィンランド人の大事なライフスタイルで、奥が深くまだまだお伝えしたいことがあります。普通の住宅のサウナストーンの熱源は電気ですが、次回以降のサマーコテージの回では違うタイプのサウナをご紹介します。


次回はリノベーション事例を紹介します。お楽しみに。

 
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大村 裕子さん
Leppänen Architects

フィンランド、ヘルシンキ在住。一級建築士。 1996年北海道大学工学部建築工学科卒業。スウェーデンハウス株式会社で16年設計に携わる。主に北海道、千葉、東京にて202邸の注文住宅、別荘、店舗等を設計。 その後スウェーデン、フィンランドにて設計事務所にて住宅を設計。フィンランドの北欧建築視察専門の旅行会社を経て、現在はフィンランドの設計事務所Leppänen Architectsに在籍。

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