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2017/09/11 10:12 - No.146


第3回 ハウジングフェア@ミッケリ(続編)


北欧住宅事情(フィンランドから)
大村 裕子

2017/09/11 10:12 - No.146

 

フィンランドのヘルシンキ在住の大村裕子です。

フィンランドの建築について住宅を中心に、建築士の視点でレポートしていきます。


ログハウスのイメージを一新

 フィンランドでログハウスと言えば丸太のログを使用する伝統的な工法です。しかし最近このログハウスが新たな工法として見直され注目されています。フィンランドは日本と同様、国土の約70%が森林であり、木材の利用は国家プロジェクトとして推進されています。



こちらはログハウスを手掛けるPolar Life Haus ポーラーライフハウスです。

Http://www.polarlifehaus.com/


このハウジングフェアの中で一番人気で、長い列ができていました。

ガラスを多く利用して、絶景を楽しめる設計となっています。

曲線が印象的な外観とモダンなインテリアですが、壁の断面を見るとログハウスであることがよくわかります。屋根はスチールです。


パッシブコンクリートハウス

こちらはパッシブハウスを手掛けるPassiivikivitalotパッシービキビタロです。

Http://www.passiivikivitalot.fi/


断熱材が型枠を兼ねており、現場でコンクリートを打ちます。

ドイツのパッシブハウスとは直接の関係はないそうですが、独自に基準を決めています。

1.気密性能が一定値以下であること。

2.年間電気使用量が最大20kWh/m2 であること。

(例) 200㎡の住宅 

年間4000kw、電気代はだいたい400ユーロ(約52,000円)

3.一定以上、再生可能エネルギーを利用すること。


実際に現場を見せていただきました。

1つの型枠ユニットの大きさは、長さ1200mm厚さ410㎜高さ300㎜です。重さは4㎏なので、簡単に運ぶことができます。


これは新しく導入を始めた床暖房の特許システムの模型です。温風がパイプを通り床を温めます。温風の熱源は電気ですが、暖炉やヒートポンプと接続してその熱を利用することもできます。またコンクリート中の水分がパイプに吸収されて排出されます。この特許システムを採用すると通常のケースより、コンクリートをかなり早く乾燥することができます。

現場を案内してくれた、キンモ・ライテイラさんは「フィンランド中に、健康な住宅を広めたい。」と熱く語ってくれました。


その他の展示


格納できるレンジフードです。


レトロなフィンランドの昔の家を再現しています。


次回は、本場のサウナを紹介します。お楽しみに。

 
大村 裕子
Leppänen Architects

フィンランド、ヘルシンキ在住。一級建築士。 1996年北海道大学工学部建築工学科卒業。スウェーデンハウス株式会社で16年設計に携わる。主に北海道、千葉、東京にて202邸の注文住宅、別荘、店舗等を設計。 その後スウェーデン、フィンランドにて設計事務所にて住宅を設計。フィンランドの北欧建築視察専門の旅行会社を経て、現在はフィンランドの設計事務所Leppänen Architectsに在籍。

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