フィンランドのヘルシンキ在住の大村裕子です。フィンランドの建築について住宅を中心に、建築士の視点でレポートしていきます。マイレア邸 アルヴァ・アアルト初期の最高傑作前回に引き続きフィンランドを代表する建築家、アルヴァ・アアルトの住宅を紹介します。こちらは1939年、アアルトが41歳のときに完成したマイレア邸です。フィンランドの西海岸沿いの都市ポリから近い、ノールマルックという場所にあります。ヘルシンキから車で3時間半ほどと行きやすい場所ではありませんが、アアルトの初期の最高傑作と言われるマイレア邸は、一見の価値があります。ポリは毎年7月に行われるジャズ・フェスティバルで有名です。また2018年はハウジングフェアが開催されます。ハウジングフェアとは、毎年フィンランド各地で場所を替えて開催される大規模な住宅博覧会です。日本の住宅展示場に似ているのですが、一般公開は夏の一か月のみで閉会後すぐに移り住み実際の住宅地となります。(第2回、第3回にて2017年のハウジングフェアの様子をレポートしていますので、興味のある方はご一読下さい。)施主は地元の実業家ハリー・グリクセンとマイレ・グリクセンです。設計を手がけたアルヴァ・アアルトと妻アイノとは仲良い友人同士でした。夫のハリーはフィンランドでも大規模の会社を経営、妻のマイレはアートに携わり美術品を多く所有していました。この住宅は美術品の展示するギャラリーを兼ねた住宅です。当初は展示のみのスペースを作る予定もあったようですが、実際にはギャラリーと住宅が一体となっています。アートは日常の一部ととらえていました。インテリアデザインはアイノが担当しています。マイレアというのは、マイレの愛称です。自然との調和駐車場から家へのアプローチは、森の中を散歩 ..
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