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2019/04/04 11:27 - No.436


第22回 今も現役! ユーゲント・シュティール建築


北欧住宅事情(フィンランドから)
大村 裕子

2019/04/04 11:27 - No.436

 
フィンランドのヘルシンキ在住の大村裕子です。フィンランドの建築について住宅を中心に、建築士の視点でレポートしていきます。ユーゲント・シュティールとはユーゲント・シュティールとはアールヌーボーともよばれる建築のスタイルの1つです。アールヌーボー建築は19世紀末から20世紀の初めにヨーロッパの各地で建てられたスタイルですが、フィンランドのユーゲント・シュティールは、フィンランドらしさを表現しているのが特徴です。フィンランドでは1895年から1915年頃にユーゲント・シュティール建築が多く建てられました。フィンランドは1917年にロシアから独立したのですが、その直前の時期にあたります。フィンランドの歴史を簡単に振り返ると、約100年前の1917年に独立しました。それまでの約100年間はロシアの支配下にあり、その前の約650年間はスウェーデンに統治されていました。そのため街中の建物にはスウェーデンの影響がある建物や、ロシアの影響がある建物が残っています。その中でこのユーゲントスティールは全く違った建物として、目を引きます。実際の例をご紹介します。エイラ病院。1905年完成。フィンランドに住んでまだ数か月のころに、偶然来たのがこの病院でした。階段ホールなどの装飾が美しく、あまりにも病院らしくなくて驚きました。後日この建物はユーゲント・シュティールを代表する建築家の一人、ラルス・ソンクによる設計と知りました。個人住宅、ヴィラ・ヨハンナ。1906年完成。曲線状の壁、尖った塔はユーゲント・シュティール建築の特徴です。元はヘルシンキの電話協会の本社。今はオフィスビル。1907年完成。ラルス・ソンク設計。アーチ状の天井の玄関ホールが印象的です。手すりにも細かなデザインが施されています。ユーゲントス ..
 
大村 裕子
Leppänen Architects

フィンランド、ヘルシンキ在住。一級建築士。 1996年北海道大学工学部建築工学科卒業。スウェーデンハウス株式会社で16年設計に携わる。主に北海道、千葉、東京にて202邸の注文住宅、別荘、店舗等を設計。 その後スウェーデン、フィンランドにて設計事務所にて住宅を設計。フィンランドの北欧建築視察専門の旅行会社を経て、現在はフィンランドの設計事務所Leppänen Architectsに在籍。

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