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2019/05/13 10:30 - No.457


第29回 サービス業か製造業か~ 住宅会社はサービス業か?製造業か? ①


がんばれ!地域の工務店(工務店とエリアマーケティング)
石川 新治

2019/05/13 10:30 - No.457

 
2代目はどうする?さまざまな工務店さんと接していると、よく聞く話があります。「先代から引き継いで、2代目が住宅会社を経営する。」この他愛のない話の中に、じつはとんでもない大きな問題が隠されています。多くの場合は、先代は元大工であったとか、左官屋、電気屋、設備工から今の住宅会社を立ち上げた経験を持っています。あるいは、先代は地域の建設会社として地位を築き、2代目が民間の事業として住宅建設を手がける。これらも、よく聞く話です。これに続いて、ある共通の悩みを聞かされます。「先代の時には利益があったけど、2代目の経営では利益が上がりにくくなっている。」もちろん、たくさんの要因があると思います。顧客層が厳しくなり、住宅の性能を上げるためには、それなりのコストをかける必要もあります。それなのに競争のために建築費は抑えられ、なおかつ人件費も高騰しています。格段に、経営は難しくなっていると考えられます。でも、冷静に考えれば、たしかに190万戸も建っていた時代から半減したとしても、景気による浮き沈みは工務店の得意とする注文住宅では顕著ではありません。もちろん、総棟数が減っていることは反論のしようがありません。でも、大手メーカーは着工棟数の直撃を受けますが、地域の工務店というのは会社の数が減ることで調整されるので、 個別の工務店の着工数の減少は緩和されます。それを考えれば、大きな差はないはずです。さらに話を聞いていると、とっても簡単な要因が見えてきます。それは経営の問題ではなく、先代には職人としての能力があったので、実際の現場で腕を振るい働いています。それは原価であると同時に、利益となります。しかし、2代目になると経営に集中して、すべての工事を外注しているので原価が上がってしまうのです。同じ価格で ..
 
石川 新治
一社)住まい文化研究会

明治大学工学部建築学科卒業。1981年ミサワホーム株式会社に入社。技術部設計から販社営業を経て、宣伝部マネージャーとして企画広報活動全般を経験。2007年、MISAWAinternational株式会社にて200年住宅「HABITA」を展開する。住宅の工法、技術、営業、マーケティング、商品化、デザイン、広報、住まい文化など、全般に精通。現在、一般社団法人住まい文化研究会代表理事として、機関紙「おうちのはなし」を発行し、全国の地域工務店の活動を支援している。主な著作に、「おうちのはなし」(経済界)、「地震に強い家づくりの教科書」(ダイアプレス)がある。

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