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2018/05/25 14:02 - No.216


第1回 松尾和也先生に聞く。「寒い家は病気になる?」


教えて!松尾先生。「エコハウスの基本」
ともこ @住宅ライター

2018/05/25 14:02 - No.216

 

ともこ@住宅ライターです。本連載は、建築家の松尾和也さんに、エコハウスの基本的なことについて解説いただくシリーズです。


1回は、「寒い家は病気になる?」をテーマにお聞きしました。



本題に入る前に、家づくりをするにあたって、第一に考えないといけないことは一体なんだと思いますか?

 

それは、施主の健やかな暮らしですよね。

 

もっと言うと、心と体の健康。

これ以外ないですよね。だって、どんなにフォトジェニックな空間が作れたとしても、病気になってしまっては、元も子もありませんから。

 

「でも健康って食生活とか運動とかの問題じゃないの?」と思う人もいるでしょう。もちろん、それもあります。

しかし!実は「冷え」も、あらゆる病気を引き起こす原因なんですって!


冷えは万病のもと

意味:体が冷えることは、すべての病気の原因になる、ということ。

引用元:ことわざにもあります。 冷えは万病のもと


だから暖かい家、つまり、高性能住宅にしましょうというお話です。


建築家 松尾和也さんってこんな人

松尾和也(Kazuya Matsuo)さんプロフィール

有限会社松尾設計室 代表取締役(平成1841日~)。1975年 兵庫県出身。1998年九州大学工学部建築学科卒業(熱環境工学専攻)。JIA(日本建築家協会)登録建築家。一級建築士。APECアーキテクト。2005年サスティナブルTOKYO世界大会で「サスティナブル住宅賞」受賞。「健康で快適な省エネ住宅を経済的に実現する」がモットー。設計活動の他、「日経アーキテクチュア」「日経ホームビルダー」「建築知識」「新建ハウジング」等の専門誌への執筆活動や「断熱」「省エネ」に関する講演も行なっており、受講した設計事務所、工務店等は延べ5000社を超える。2009年パッシブハウスジャパンを立ち上げ、理事としてドイツの最先端省エネ建築の考え方を、日本の気候条件に合わせる形で普及促進活動を行う。日本エコハウス大賞の審査員も務める。著書にはホントは安いエコハウス「あたらしい家づくりの教科書」がある。


日本に高性能住宅を広めている


箕岡智子(以下智子)「松尾さん、今回はよろしくお願いします。」

 

松尾和也さん(以下敬称略)「よろしくお願いします。」

 

智子「それにしても、設計以外に執筆や講演、ドイツの最先端省エネ建築の普及と、活動的ですね。ちなみに、講演会は年間でどのくらいされてるんですか?」

 

松尾「数えてみたら、昨年は50回。一昨年は70回、その前は100回でしたね。」

 

智子 「そ、そんなに?!

 

松尾「呼ばれるから行ってるだけですけど。自分で企画したことなくて笑」


智子「すごい人気ですね。全国の工務店に呼ばれるんですか?」

 

松尾「工務店もありますけど、ハウスメーカーや住宅設備機器メーカー、建築士会といった5060人くらいの団体が多いかな、感覚的に。20人の時もあれば、800人の時もありますから。」

 

智子「プロ向けにたくさん講演されてるんですね(てことは業界の兄貴的存在…)。講演はどんな内容ですか?」

 

松尾「 本に書いてあるような高性能住宅の正しい知識です。人って、腹まで落ちてないと実行しないじゃないですか。だからあの手この手を使って、お話してる感じです。」

 

智子「 確かに、納得していないと行動できない。」

 

松尾「僕の講演を聞きにきてくれた人たちの10%が変わってくれるんですよ、統計的に。その10%のプロの人たちは、その先ずーっとめっちゃいい高性能住宅を建ててくれるわけです。たかが10%ですけど、かなりの数の人にお話してるので。」

 

智子「少しずつ、でも確実に、日本中に高い性能の家が増えているということですね。一般の人向けの講演もされているんですか?」

 

松尾「20回に1回くらいのペースで講演してるかな。家が暖かくないと健康を害しますよってテーマで。たとえば、脳梗塞になったらいくらお金がかかるかって説明すると、年配の方は、めちゃめちゃメモしてます。」

 

智子「医療費もバカになりませんし。家族に迷惑かけないよう、元気に余生を過ごしたいですもんね。」


「暖かい家が健康を守る」は、証明されている


智子「今回の記事のテーマでもありますが、ずばり、寒い家は病気になる可能性が高いということですか?」

 

松尾「そうです。実際に慶応大学の伊香賀教授や、近畿大学の岩前教授が、住宅環境と健康との関わりについて研究されています。そういった裏付けされたデータを元に講演しています。」

 


参考ページ

伊香賀俊治研究室

近畿大学 岩前 篤教授 コラム 第1回 冬の寒さと健康 | 断熱住宅.com



智子「なるほど。事実として証明されていることなんですね。」

 

松尾「はい。何回も言いますけど、暖かい家が健康を守ってくれるんです。ただ、プロでも重要視していない人がいるのが現実です。

 

智子「よく分かりました。ありがとうございます。」

 

<まとめ>

施主の健やかな暮らしを守るためには、絶対に暖かい家にするべし。繰り返しになりますが、まずはこれを大前提としておく必要があるようです。



次回は、松尾設計室が実際に手がけたこちらの↓お宅を見ながら具体的な設計について迫ります。お見逃しなく!神戸市M様邸。家族構成は、ご夫婦とお子さま1人。敷地面積63坪、延床面積40坪。2014年10月完成。



松尾設計室WEBサイト:http://www.matsuosekkei.com 

松尾設計室の実例がいっぱいのインスタグラム:mao_matsuosekkei

 

※こちらの記事は「家づくり情報サイトieny」(https://ieny.jp)>寒い家は病気になる?建築家 松尾和也氏に聞く健やかな暮らしができる家」第1話からの転載です。 



・第2回:松尾和也先生に聞く。「太陽に素直な設計とは?」

・第3回:松尾和也先生に聞く。「施主が求める断熱性能」 

・第4回:松尾和也先生に聞く。「気密と耐震の重要性とは?」  

・最終回:松尾和也先生に聞く。「シリーズ総まとめ!締めはドリーム空調機+特別メッセージ」


 
ともこ @住宅ライター
フリーランス住宅ライター

フリーランス住宅ライター編集者。広島県出身。愛媛県在住。タウン誌営業→スノーボードインストラクター→住宅誌営業(現 株式会社KG情報/家づくり学校)→フリーに。住宅誌づくりを通じて住宅の面白さにハマる。現在は主に一般向けの住宅誌や住宅サイトで執筆中。省エネ建築診断士。twitter/ともこ@住宅ライター。有料note/工務店向け!これは真似できる「一条工務店の集客術」(https://note.mu/tomoko_house/n/n253526d8a40f)を発売中。

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