「APWフォーラム2018」より、Eee worksの日下洋介さんによる『今考える住まいの燃費』の後編をお届けします。(前編はこちら)
株式会社 Eee works
代表取締役
日下 洋介 氏
1973年香川県出身、関西のアトリエ事務所にて『機能性とカタチの美しさを両立する設計手法』を学ぶ。2011年、東日本大震災発生を機に『耐震性と燃費性能の見える化は必須』と考え、耐震等級3を標準化 ・ 冷暖房費保証 ・ アフターフォロー無償 これら3つのE(Essence)を基本理念としてEee worksを始動。『住まい手の想いに寄り添い納得いく予算で 浮かび上がるカタチを磨き上げる』 がモットー。
外皮性能強化の第一歩は
外皮性能強化の第一歩として「私が考えるのは窓です」と日下さん。
窓の面積が外皮面積に占める割合は、約10~15%ほどととても小さいのですが、全熱損失の割合でいうと「樹脂アルミLow-Eペアガラスで33%」の損失が、「樹脂窓Low-Eペアガラスで24%」も窓からロスをしているそう。
たとえば、一般的な外壁の仕様として105mmの柱に100mmのグラスウール16kgを充填したもののUA値は0.50。一方、窓単体のUA値を算出すると、アルミのLow-EペアガラスでUA値3.49、性能が高い樹脂窓のトリプルガラスでさえもUA値0.91という数値になります。
仮にこれらの窓のUA値でグラスウール換算してみると、アルミのLow-Eペアガラス相当はグラスウール7mm、樹脂窓トリプルガラス相当でもグラスウール55mmという計算になるのです。
グラスウール7mmでは断熱材が入っているかどうかもわからないぐらいですよね。そんな厚みの壁と窓の性能はイコールになると考えると、家の熱は窓から相当逃げている、というのがよくわかります。
一方「これは、悲観的な話ではない」、と日下さん。
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