◆日本海溝・千島海溝の巨大地震で全壊は22万棟
◆防災対策を行うことで被害を大きく軽減できる
内閣府が設置した「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震対策検討ワーキンググループ」がそれぞれで発生が予想される地震の被害想定および防災対策の効果をまとめた。事前の防災対策によって被害を大きく軽減できるとしたことがポイントだ。
このワーキンググループは、日本海溝と千島海溝で想定すべき最大クラスの地震・津波の検討が進んだことから、被害想定や防災対策を行うために設置されたもの。
検討結果によると、地震の発生時期や時間帯によって異なるが、日本海溝モデルでは、死者は約6000~19万9000人、負傷者は約3300人~2万2000人、全壊および消失棟数合計は約22万棟とした。いずれも津波によるものがほとんどを占める。経済的被害額は約31兆円にのぼる。
千島海溝モデルでは、死者約2万2000人~10万人、やはり津波による被害が大きい。経済的被害額は約17兆円だ。一方、防災対策については、避難の迅速化が図られ、津波避難ビル・タワーを活用・整備した場合、死者数は日本海溝モデルで約19万9000人から約3万人に、千島海溝モデルでは約10万人から1万9000人に減少するとみる。
また、現状よりも耐震化率が向上した場合、全壊は日本海溝モデルで約1100棟から100棟まで、千島海溝モデルでも約1700棟から300棟にまで、ともに8割も減らせるとした。
想定した地震・津波は最大クラスのもので、広域にわたり甚大な被害が想定されるが、防災対策をしっかりと行うことで被害を大幅に減らすことができそうだ。
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