◆長期優良住宅の基準が変更
省エネ基準はZEHに引き上げ
2022年10月1日から長期優良住宅の認定基準が変更となった。変更点は、建築行為を伴わない既存住宅の認定制度の創設、省エネルギー対策の強化、壁量規定の見直し、共同住宅等に係る基準の合理化などだ。
これまで既存住宅については、一定の性能を有するものであっても、増改築行為を行わない限り認定を取得することができなかったが、優良な既存住宅については、維持保全計画のみで認定が取得できるようになった。
省エネルギー対策の強化では、断熱性能について、これまでの住宅性能表示の断熱等性能等級4から、ZEH水準(住宅性能表示の断熱等性能等級5)に引き上げた。また、省エネ化などで重量化した建築物の構造安全性を確保するため、必要な壁量の基準の見直しも行う。
共同住宅については、分譲住宅を想定した基準を見直し、維持管理・更新の容易性に係る専用配管の基準を区分所有住宅以外に適用しないなど、賃貸住宅の実態にあわせた。また、面積基準についても「55㎡」から「40㎡以上」に原則を合理化した。(表参照)
こうした基準の見直しにより、長期優良住宅に対する数々の支援制度の認定基準も変更となるので注意が必要だ。
長期優良住宅は、所得税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税が軽減されるが、10月1日以降、これらの減税の適用を受けるには当然、新基準への適合が求められる。このほか、地域型住宅グリーン化事業、フラット35Sなど、補助や融資での支援制度があるが、これらについても新基準が求められる。
なお、長期優良住宅制度については、(一社)住宅性能評価・表示協会ホームページにてWEB説明動画配信を行っている。