YKK AP株式会社が発行する建築業界情報紙「メディアレポート」では、毎月様々な情報をお届け。「住宅トレンド」記事では国・行政・業界の動きや建築に関わる法改正などの情報をお伝えしています。その中で今回は「住宅・建設のGX投資は10年間で14兆円以上」と題した記事をご紹介します。
今回ご紹介するのは「メディアレポート 2023.6」に掲載された記事です。冊子PDFは下記よりご覧ください。
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住宅・建設のGX投資は10年間で14兆円以上
断熱窓への集中支援も
政府は「GX実現に向けた基本方針〜今後10年を見据えたロードマップ〜」および「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案(GX推進法案)」を閣議決定した。グリーントランスフォーメーション(GX)を通じて脱炭素、エネルギー安定供給、経済成長を同時に実現することが目的。
具体的には、エネルギー安定供給の確保に向け、徹底した省エネに加え、再エネや原子力などのエネルギー自給率の向上に資する脱炭素電源への転換などGXに向けた脱炭素の取り組みを進める。また、GX実現に向け、「GX経済移行債」などを活用した大胆な先行投資支援、カーボンプライシングによるGX投資先行インセンティブ、新たな金融手法の活用などを含む「成長志向型のカーボンプライシング構想」の実現・実行を行う。
「再生可能エネルギーの主力電源化」では、2030年度の電源構成に占める再生可能エネルギー比率36〜38%の確実な達成を目指し、公共施設、住宅、工場、倉庫、空港、鉄道などへの太陽光パネルの設置拡大を進める。
住宅・建築物の分野では2025年度の省エネ基準への適合義務化、2030年度以降のZEH・ZEB水準の省エネ性能の確保、ストックの性能向上に向け、省エネ性能の高い住宅・建築物の新築や省エネ改修に対する支援を強化する。また、建材トップランナー制度の2030年度目標の早期改定・対象拡大も目指す。
省エネへの投資としては、新築はZEH・ZEB水準の省エネ性能を持つ住宅・建築物の省エネ改修に必要な投資を行う。また、建材トップランナー目標値を大きく上回る断熱材の開発・普及に必要な投資も行う。特に、2025年度までに断熱窓導入の集中的支援を行ない、26〜30年に断熱窓を含む、さらに性能が高い建材の普及拡大を進める。CO2削減への投資としては、非住宅・中高層の建築物等木材利用に必要な投資を行う。
これらを合わせ、今後の10年間で約14兆円以上の投資を実施する計画だ。