伝統の生きる和の庭個人邸住宅のエクステリア&ガーデン空間の中で、最も穏やか、且つ、粋(いき)で風情ある景観を求められるのが和室前の庭空間だと思います。和室の窓からのぞむ景観が屋内外の「格」をも上げるだけに、庭空間に施す「植栽」、そして「石材」には特に留意しなくてはなりません。また、造園サイドと、濡れ縁などを施す外構サイドや建築サイドとの逸する連携プレーが望ましく、会所を施す場所や室外機設置場所等も十分なすり合わせのもとに行われることが良い庭づくりの秘訣とも言えます。▲ ゆるやかな弧を描く園路の飛石▲ さまざまな石の組み合わせで豊かな表情を見せる和の庭というのは、元来、お客様をお迎えする茶庭(露地)の要素があったりします。蹲踞で手を清めたり、建物内に入る前の心構えに繋がり、庭を有効活用する仕組みが古き時代より成されているのが和の庭です。庭園内をそぞろ歩く園路の設えは動線の誘引ともなり、和の庭には日本人としての文化のもと、すべてにおいて意味があるのを認識していただきたいです。景石がアイストップになったり、沓脱石や園路の飛石や延段なども、石材の組合せ次第で「格」を示したり、遊び心を醸し出したり、砂利の選択も仕上りの出来に関わったり、「気」を放つ「石」がもたらす意味や効果は底しれません。▲ 庭づくりは建築物との連携により完成する新しい元号になる時代となった今、庭づくりを手がける者の世代交代で、デザイン性を追究することばかりに陥りがちで、そこに漂う「気」が乱れることになる懸念も感じます。和の庭ほど伝統ある技術やモラルの継承が大切だと思えてなりません。▲ 和室から見える庭の景観は黒木をもたらす植栽には縁起物を▲江戸貨幣にちなんだ縁起物の植栽の例住宅内に和室を設けるお客様は、ご年配のご家族や ..
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