(こちらの連載は新建ハウジング発行「だん8号」からの転載です)
2018年に自宅マンションのフルリノベを行った社会派ブロガーのちきりんさん。
すべての窓に「内窓」を付けたところ「効果てきめんだった」といいます。今回は窓の断熱機能についてさらに学びたいというちきりんさんが、様々な疑問を解消するためYKK AP体感ショールームを訪問。その際にリノベ後の住み心地についてもお伺いしました。(前回記事はこちら)
Q1 マンションの窓の断熱性能を高める方法は内窓の追加だけ?
A. 一戸建てなら既存の窓を取り替えられますが、マンションの場合、外窓は共有部分であり、取り替えには管理組合の許可が必要で、かなりハードルが高くなります。
一方、内窓を付けて二重窓にする方法は、外窓を傷つけずに窓を高断熱化できるので制約も少なく簡単です。
なお、マンション全体で行う場合は、大規模修繕時に全住戸「カバー工法*」で高断熱化する方法もあります。((*)既存枠を残したまま、新しい窓を上から取り付けるリフォーム工法)
Q2. 性能で窓を選ぶ際、遮熱・断熱目的で重視すべきなのは「枠(サッシ)」「ガラス」「スペーサー* 」「ガス」のうちどれ?
A. 熱は面積に比例するので、大きいものから順に大事だと思って下さい。答えは[ガラス(+ガス)>枠>スペーサー]です。
(*)スペーサーは、複層ガラスの中空層をつくるための部材。アルミまたは樹脂でできています
Q3. 窓の方角によってガラスの種類を変えたほうがいいって本当?自宅リノベで入れた内窓のタイプは正解だった?
A. 一般的には[図]の通りになります。西日は極力入れないのが鉄則で、それ以外の方角は冬の日射を採り入れることができるよう断熱タイプがおすすめです。
また夏場、南面窓から直射日光が入ると、断熱タイプのガラスでも防ぎ切れずに室内がモワっとしてしまうので、庇やすだれなどを設置して窓の外で日射を遮る工夫をすると効果的です。マンションでは、上階のバルコニーが南面窓の庇の役目を果たしてくれることがあります。
なお、ちきりんさんのお宅で選んだ内窓のガラスの種類は大正解でした。
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