◆緊急事態宣言下で変わった家づくりへの意識
◆在宅勤務の経験・未経験で検討内容に大きな違いが
住宅生産振興財団と住宅展示場協議会が行った「住宅展示場来場者アンケート2020」によると、緊急事態宣言を経て住宅計画に変化が出てきた。
この調査は、2020年8~9月に全国32会場の総合住宅展示場で来場者を対象に行ったもので、アンケート回収数は733票。世帯主年代は34歳以下の若年層が41.5%、35~49歳の中年層が40.9%、50歳以上の熟年層が17.5%であった。
緊急事態宣言を経ての住宅の計画については、「見直しはしたが変更はなかった」が64%と最も多かったが、年代別でみると大きく異なり、年代が上がるほど計画を見直す傾向がある。51歳以上で予算、着工時期、間取り、建設予定地などの計画を見直した人は54%と半数を超え、34歳以下の同30%と大きな開きがある。もう一つ大きな特徴は、在宅勤務・テレワークの実施歴が長いほど予算、着工時期、間取り、建設予定地など満遍なく計画を見直している。特に間取りや建設予定地についての差が顕著だ。在宅勤務・テレワークを緊急事態宣言以前から実施している人は間取り9.1%、建設予定地6.1%が見直したとしたが、在宅勤務・テレワーク未経験者は間取り0.8%、建設予定地0.5%でしかない。
在宅勤務・テレワークの実施による住まいづくりへの影響をみると、「在宅勤務・テレワークを意識した家づくりへの関心度」(関心がある+やや関心がある)は35%。やはり在宅勤務・テレワーク実施者と未経験者で大きな差が出た。緊急事態宣言以前から実施している人が80.3%、同宣言以降実施者が50.5%、未経験者が15.8%という数字だ。
具体的な家づくりについては、全世代で共通して仕事ができる空間・部屋」を求める人が多く66.1%に達した。この傾向は、在宅勤務・テレワークを経験した層に顕著な一方、未経験者は「同じスペースで家事や子育てと仕事を両立できる空間」を求めており、仕事と子育ての空間を分けないことを希望している。
具体的に検討したい家づくりは、「仕事ができる空間」が約73%と群を抜いて多く、次いで「色々な用途に使える部屋」(約33%)、「防音性の高い部屋」(約32%)と続いている。
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YKK AP 株式会社 発行「メディアレポート 2021.05」
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