YKK AP株式会社が発行する建築業界情報紙「メディアレポート」では、毎月様々な情報をお届け。「クローズアップ」記事では国や企業・シンクタンク等の最新の調査から見えてくる業界動向や住まい手の嗜好・傾向などをご紹介しています。その中で今回は「空き家・空き地相談8割越え」と題した記事をご紹介します。
今回ご紹介するのは「メディアレポート 2023.9」に掲載された記事です。冊子PDFは下記よりご覧ください。
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空き家・空き地の相談を受ける
不動産事業者は8割越え
何らかの行動を取る動きが広まる
(公社)全国宅地建物取引業協会連合会が同連合会モニター向けに実施した「第29回 不動産市況DI調査」によると、居住または利用していない空き家・空き地に関して「よく相談を受ける(年間10件以上)」と回答した不動産事業者は20.7%、「たまに受ける(年間10件未満)」は65.8%となり、計86.5%もの事業者が相談を受けていることが分かった。
相談内容として最も多かったのは「売却」で92.2%、次いで「賃貸」が51.5%、「維持・管理」が43.7%となっており、空き家・空き地に対して何らかのアクションを起こしたいという考えが広がってきていることをうかがわせる。また、法律・税制上の相談も25.1%寄せられており、空き家・空き地を所有することのデメリットや仕組みについて具体的に知りたいと考えている所有者も多いことが分かる。
また、相談を受けた物件については、その事業者の所在地県外に物件が位置するケースが40.1%にのぼっている。このようなケースに対してどのように対応しているかを不動産事業者に聞くと、「一旦概要を聞き取る」が86.6%を占め、「対応できないため断る」の6.0%を大きく上回った。空き家・空き地への対策が全国的に重要視されるなか即座に断ることはせず、まずは相談内容を聞いてから判断しようという事業者が多いことがうかがえる。
聞き取り後の対応も多岐にわたる。①「媒介を受ける等、自社で対応する」の65.5%を筆頭に、②「物件所在地県内の他社を紹介または取り次ぐ」が46.6%、③「自治体・宅建協会を案内する」が27.6%、④「自社と同一県内の他社を紹介または取り次ぐ」が5.2%と続いた。また、②、④の関連事項として紹介・取り次ぎ先の事業者は、「知り合い・付き合いのある業者のみ」が57.1%、「付き合いの有無に関わらず対応できそうな業者」が42.9%だった。
一方、聞き取りを行った上で「自社での対応が難しい場合は断る(紹介等はしない)」とする事業者も27.6%存在し、空き家・空き地問題への取り組みの難しさも垣間見えた。
[ご紹介]YKK AP 株式会社 発行「メディアレポート 2023.9」
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