今、世界中で、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが進められています。ようやく日本でも「環境負荷ゼロ」や「CO2排出ゼロ」の目標を掲げる企業が増え、政府により「2035年までに乗用車の新車販売で電動車100%を実現する」という方針が定められています。そうした流れの中、どんな家づくりを進め、どのように売っていくべきか、経営方針に頭を悩ませている工務店もいることでしょう。実際、脱炭素社会に向けた新たな家づくり、経営をしていかないと、今後を生き抜いていくことはできません。
なぜ今、経営転換が必要なのか?そのためには何をすれば良いのか?本連載でお伝えしていきます。
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◆なぜリノベーションなのか?
前回「住宅業界にリノベーションの時代が来る」という話をしました。新築住宅価格の高騰をはじめとするさまざまな背景と、そのために工務店として取り組むべきこともお伝えしましたが、改めて確認しておきたいのが、なぜリノベーションが必要なのか?ということです。もちろん、古い家の使いにくい間取りや寒さを改善したり、傷んだ部分を改修するのが目的なのですが、なかでも温熱環境の改善=断熱改修においては、脱炭素社会を目指す上で必要な事柄であり、この連載の最も大きなテーマでもあります。
断熱基準の新設や義務化も、そうした社会の動きのひとつですし、今年に入り、環境省、経済産業省、国土交通省の3省連携による住宅省エネ化支援として、新たな補助事業もスタートしました。これは、2050年カーボンニュートラルの実現と昨今のエネルギー価格の高騰をうけ、家庭部門での省エネ化を進めるための支援で、断熱改修に関するものに「開口部・躯体のリフォーム」があります。そのほか「エコ住宅設備の導入」や「子育て対応改修」、「防災性向上改修」などへの支援があります
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