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2017/03/24 14:00 - No.79


第1回 都市部におけるZEH化の取り組み 前編


ZEHの教科書 事例研究編
大菅 力

2017/03/24 14:00 - No.79

 
ZEH化の基本は躯体の高性能化と適切な設備の組み合わせになるが、細かく見ると地域や工務店ごとのアプローチはさまざまだ。このコーナーでは実例を交えて、各社のZEHへの取り組みを紹介する。セイズは、東京の下町と言われる葛飾区や江戸川区を中心に、建売住宅と注文住宅の双方を手掛ける工務店。省エネルギー住宅に熱心に取り込んでおり、裁年前から年間1〜3棟のZEHを手掛けている。同社の中心となる顧客層は30代前半の子育て世代で、子供は1人ないし2人。世帯年収一千万円の家庭が中心で、共働きも多い。同社が展開するエリアだと、比較的土地が安価な地域でも、土地建物のトータルだと4500万円〜5000万円にはなる。そのうち建物の総工費は、事例によりは幅があるものの2500万円程度のものが多い。ダブルローンのケースも少なくないという。同社の手掛けたZEHの例(S邸)。狭小敷地ならではの工夫が詰まっている 省エネルギーは差別化要因になる同社取締役・設計部リーダーの藤村祐介さんによると、こうした顧客層の省エネルギー住宅に対する意識が変わりつつあるという。「ハウスメーカーのテレビCMなどの影響もあり、冬に暖かく、夏に涼しい家をつくることに対して、共感を得やすくなっている」と藤村さんは言う。藤村さんによれば、まずしっかりした家がほしいという大きなニーズがあり、その要素の1つとして省エネルギーが重視されるようになってきてという。「高断熱化は差別化要因として大きな要素になる」と藤村さんは説明する。一般に、省エネルギー住宅は見込み客にその魅力を伝えることが難しいと言われる。住んでみないと快適さや光熱費抑制の効果は伝わりにくいからだ。「省エネルギー住宅のよさを伝えるには、体感してもらうことが一番。その点ではモデルハウス ..
 
大菅 力
フリーランス

1967年東京生まれ。早稲田大学第二文学部中退後、木材業界雑誌の出版社を経て1994年株式会社建築知識(現 株式会社エクスナレッジ)入社。月刊「建築知識」、季刊「iA」などの建築、インテリア専門誌の編集長を務める。2010年退社。 現在フリーランスとして、季刊「リノベーションジャーナル」(新建新聞社刊)の編集長を務める。主な著作に「リフォーム 見積り+工事管理マニュアル」(建築資料研究社)、「世界で一番やさしい仕上材(内装編)」(エクスナレッジ)、「心地よい住まいの間取りがわかる本」(エクスナレッジ)などがある。

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