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2019/04/12 09:51 - No.444


第10回 鎌田紀彦氏「高断熱住宅の課題と技術動向 ③換気システムの考え方」


北海道の高性能住宅を探る
大菅 力

2019/04/12 09:51 - No.444

 
鎌田紀彦氏  室蘭工業大学名誉教授一般社団法人新木造住宅技術研究協議会[新住協]代表理事快適で光熱費の掛からない高断熱住宅の普及に向け、多くの提案と実践を行ってきた鎌田紀彦氏。鎌田氏が考える高断熱住宅の課題や技術動向について聞いていく全4回の連載。第3回は換気システムの考え方について聞く。−前回に少し触れましたが、「Q1住宅」では熱交換型換気システムを推奨しているのですね鎌田 全熱交換型の熱交換型換気システムを用いると、計算上は寒冷地で30%程度、温暖地で20%程度暖房エネルギーを削減できます。問題は動力の電気代です。かつての熱交換型換気システムは電気代が嵩く、熱回収による暖房代の節約分を超えていました。そのほかフィルターも不完全で施工費も高いという問題もありました。高断熱住宅の黎明期においては、コストが膨らむと普及しないと考えていたので、当時熱交換型換気システムは第一選択肢ではありませんでした。最近はDCモーターの採用による省エネルギー化が進み、消費電力も15、16W程度で済むようになりました。価格も比較的安価で施工性がよい国産品が出てきたので、積極的に推奨しています。−湿度管理の点では、水蒸気を回収する全熱交換型の換気システムが有利ですね鎌田 換気回数0.5回の住宅で第三種換気システムを用いると湿度30%以下になるところが、全熱交換型の換気システムを用いると40~50%を保てます。■換気回数0.5回は多すぎる−電気代が掛からないという点では動力を用いないパッシブ換気はいかがでしょうか。北海道では実績を積んでいると聞きます鎌田 温度差と風速で換気量が変動するのが難点ですが、きちんとマニュアル通りに施工すれば寒冷地ではまあ使えると思いますが、熱損失的には第3種換気と同じです。温 ..
 
大菅 力
フリーランス

1967年東京生まれ。早稲田大学第二文学部中退後、木材業界雑誌の出版社を経て1994年株式会社建築知識(現 株式会社エクスナレッジ)入社。月刊「建築知識」、季刊「iA」などの建築、インテリア専門誌の編集長を務める。2010年退社。 現在フリーランスとして、季刊「リノベーションジャーナル」(新建新聞社刊)の編集長を務める。主な著作に「リフォーム 見積り+工事管理マニュアル」(建築資料研究社)、「世界で一番やさしい仕上材(内装編)」(エクスナレッジ)、「心地よい住まいの間取りがわかる本」(エクスナレッジ)などがある。

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