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2021/03/22 16:05 - No.1030


第46回 地球環境と長期優良とスケルトン③


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がんばれ!地域の工務店(工務店とエリアマーケティング)
石川 新治

2021/03/22 16:05 - No.1030

 
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住宅価値はゼロ?


全国の工務店が、国産材を使って木造住宅を建てることは、環境貢献を果たすことにつながります。さらに木造住宅のスケルトンは、固定化されたCO2を保存している第2の森として、長期に使うほど環境価値も高まります。


そのような長期耐用の目でスケルトンを見れば、耐震等級や組み方などの構造的な課題も発見でき、性能が優良であるだけではなく、長期優良であるためのスケルトンの条件が見えてきます。

それが実現できている住宅は、単純に基礎を見ただけでもわかるとしましたが、構造計算のような難解な要素は専門家に任せて、もっと消費者に大切なメリットを加えなければ普及しません。

地球環境を守るための長期優良のスケルトンを定義できると、日本の住宅市場の懸案である住宅の資産価値に対する考え方にもつながるはずです。

ごく普通にいわれていることですが、木造住宅は30年で価値はゼロになる。

さらには不動産業界では、20年でゼロになるとまでいわれています。

これらについては、税法や金融、そして不動産業界で、環境問題も含めて不勉強な人たちが、自分の仕事を楽にするためだけに広めてしまった悪習と、一度断罪しておかなければならないでしょう。もちろん、これに乗じている建築会社もあります。

たとえば、税法上の木造住宅の減価償却期間を30年や33年とするのも、税申請を簡素化するために建物全体の使用期間を平均化して求められたものです。

この計算の中では、少なくともスケルトンである木材は100年間使用できることを前提として算出されています。数字だけが独り歩きしているのです。

問題は、誰でもが、そのスケルトンの価値を瞬時に見極められるかです。

 
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石川 新治
一社)住まい文化研究会

明治大学工学部建築学科卒業。1981年ミサワホーム株式会社に入社。技術部設計から販社営業を経て、宣伝部マネージャーとして企画広報活動全般を経験。2007年、MISAWAinternational株式会社にて200年住宅「HABITA」を展開する。住宅の工法、技術、営業、マーケティング、商品化、デザイン、広報、住まい文化など、全般に精通。現在、一般社団法人住まい文化研究会代表理事として、機関紙「おうちのはなし」を発行し、全国の地域工務店の活動を支援している。主な著作に、「おうちのはなし」(経済界)、「地震に強い家づくりの教科書」(ダイアプレス)がある。

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