◆国交省が"脱炭素化"や"防災・減災"に注力
◆省エネ住宅の普及、ハザードエリアからの移転など
国土交通省は2021年度、「安心して暮らせる住まいの確保と魅力ある住生活環境の整備」に力を入れる。
その大きな柱の一つが「脱CO2」である。環境意識の高まりなども踏まえ、パリ協定に基づく2030年度の民生部門のCO2排出量削減目標の達成に向けて、省エネ住宅・建築物の普及を加速させる。
具体的には、工務店/ビルダーなど中小事業者の連携による省エネ性能に優れた木造住宅の整備・改修などに対して支援を行う。また、断熱改修や高効率設備の導入など既存住宅の省エネ改修に対しても支援を行う。また、CLTなどを活用した都市木造建築物を担う設計者に対する支援も進める考えだ。
もう一つ注目されるキーワードが「既存住宅流通・リフォーム市場の活性化」だ。既存住宅流通市場、リフォーム市場の環境整備や既存住宅ストックの質の向上、また、住宅・建築産業のリモート化を推進する。
具体的には、耐風改修や蓄電池設置など住まいの防災性・レジリエンス性の向上に資するリフォームを支援する。また、新型コロナウイルス感染症の拡大にともない二拠点居住などの需要が高まっていることを受け、既存住宅ストックの活用を推進する。
◆流域治水に本腰
◆危険性高い住宅の安全を確保
国土交通省の2021年度のもう一つの大きな柱が「防災・減災」である。
台風などの気象災害の激甚化・頻発化、また、南海トラフ地震など大規模地震が切迫化しており、防災・減災、国土強靭化の取り組みの加速化・深化が不可欠となっている。
国土交通省は、2020年12月に閣議決定された「防災・減災、国土強靭化のための五か年加速化対策」を踏まえ、2021年度からの5か年で、おおむね9.4兆円程度をめどに、重点的かつ集中的に対策を講じることとしている。
政府は全体で123の対策を掲げており、国土交通省ではこのうち53対策について重点的・集中的に対策を講じるとしている。
大きなテーマが「あらゆる関係者により流域全体で行う「流域治水」の推進」だ。
具体的には、雨水排水施設の整備や耐水化などによる都市浸水対策の強化や、ゼロメートル地帯などの高台まちづくりの推進、災害ハザードエリアからの移転の促進や宅地の浸水対策を推進、被災する危険性が高い住宅の安全性確保の推進などに取り組む。
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YKK AP 株式会社 発行 「メディアレポート 2021.03」
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