◆改正温対法が成立
◆地域脱炭素化促進事業が創設へ
「改正地球温暖化対策推進法」(温対法)が成立、2022年4月に施行される見込みだ。「2050年までの脱炭素社会の実現」を明記、国の方向性を明確化したことが大きなポイント。また、地域の環境保全や地域の課題解決に貢献する再エネを活用した「地域脱炭素化促進事業」を推進する仕組みを創設、地域の脱炭素化を推進する。都道府県に再エネ導入目標の設定の義務付けも行った。
「2050年までの脱炭素社会の実現」の明記は、「2050年カーボンニュートラル」の政策が継続されるように法律に明記し、国の姿勢を明確にしたものだ。
「2050年カーボンニュートラル」の目標実現に向けては、地域資源である再エネの活用は無視できない。このため今回、法律を改正し、地域の環境保全や地域の課題解決に貢献する再エネを活用した地域脱炭素化促進事 業を推進する仕組みを創設し、地域の合意形成を円滑化しつつ、地域の脱炭素化を促進することとした。地域脱炭素化促進事業とは、地域に役立つ再生エネ発電事業で「太陽光や風力、水力など」(環境省)が対象になる。市町村は、この事業を推進する「促進区域」を設定するが、地域住民などのトラブルを防ぐため、設定前に地域の協議会などを通じて住民の意見を聞くことができる。事業者も計画実施前に 住民に説明することができるため、事業参入のリスクが計算できることになる。
現状、発電所を設置する際、例えば国立・国定公園内であれば自然公園法に基づく開発行為の許可や、農地であれば農地法に基づく農地の転用の許可、民有林であれば森林法に基づく開発行為の許可など様々な手続きが求められる。こうした手続きを、認定を受けた事業者であれば、市町村を窓口にしてワンストップで済ますことができる。また、環境影響評価法に基づく事業計画の立案段階における配慮書手続の省略ができるなど、事業者の負担を軽減し、地域での再エネ導入の迅速化を図る。
また、温暖化対策として、都道府県などが実行計画を策定しているが、「再エネの利用促進」などの記載事項はあるものの、施策ごとの目標は記載事項ではなかった。例えば、再エネ目標を設定している都道府県は約3割にとどまる。今回の法改正で、都道府県には再生エネの導入目標の開示を義務付けた。また、市町村にも目標開示の努力義務を求めた。
住宅・建築物では現在、国土交通、経済産業、環境の3省が連携し、脱炭素社会に向けた取り組みを検討する議論が行われている。今回、温対法に「50年までの脱炭素社会の実現」が明記されたことで、住宅・建築物でも野心的な取り組みが求められそうだ。さらにゼロカーボンシティの取り組みにも拍車がかかることになりそうだ。
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YKK AP 株式会社 発行「メディアレポート 2021.09」
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