◆経産省がスマートホームの 安心・安全にガイドラインを策定
◆提供事業者、住まい手の対策をまとめる
経済産業省が、安心・安全なスマートホームの実現に向けて「スマートホームの安心・安全に向けたサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」をまとめた。
スマートホームは、IoTに対応した住宅設備・家電機器などがサービスと連携するこ とで、子育て世代、高齢者、単身者などさまざまなライフスタイル、ニーズにあったサービスを実現する。
一方で、一般家庭においてはIoT機器の導入や維持・運用に一貫した計画性がないことが多く、また、誤使用が発生する可能性がある。サービスによっては、サイバー空間における問題が想定外の鍵の開錠や閉じ込めといった現実空間における問題を引き起こす可能性が指摘されている。
こうした問題に対し、経済産業省は2018年に産業サイバーセキュリティ研究会ワーキンググループ1の下にスマートホー ムサブワーキンググループを設置、スマートホームにおける安心で安全な暮らしを実現するための基本的な指針の考え方について検討を行ってきた。
「スマートホームの安心・安全に向けたサイ バー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン Ver.1」では、事業提供者や住まい手などのステークホルダーに対する対策などを示している。
例えば、スマートホーム向けIoT機器の事業者については、出荷時や初期化状態からセキュリティを確保することなどを求めている。また、IoT機器を遠隔で管理する事業者やメンテナンスサポートを行う事業者にはサービス提供や管理のポリシーを提示し遵守することを求める。そして住まい手には、信頼できるIoT機器やサービスを選び、個人情報を自分で守ることが大切とする。
IoTを活用するさまざまな設備・家電機器が登場しているが、それを連携することで思わぬ事故にもつながりかねない。今回のガイドラインは、スマートホームの提案を行う際の一つの指針となろう。
▼スマートホームに求められる最低限のセキュリティ対策
スマートホーム向けIot機器の事業者
・IoT機器は出荷時や初期化状態からセキュリティを確保する
・セーフティを考慮する
・ソフトウェアをアップデートするための仕組みを提供する
・利用者にIoT機器の使い方や使用環境をガイドする、セキュアに利用するための情報を提供する
スマートホーム向けのIoT機器を遠隔から管理する事業者
スマートホーム向けにメンテナンスやサポートを行う事業者
・事業者のシステムを適切に運用・管理する
・サービスとIoT機器のガイドに従った保守・点検を行う
・サービスの提供や管理のポリシーを提示し遵守する
スマートホーム向けのサービス事業者
・サービスを提供する事業者のシステムを適切に運用・管理する
・管理のポリシーを提示し遵守する
スマートホームを供給する事業者
・IoT機器を正しく選択する
・IoT機器やサービスを正しく設置、設定する
スマートホーム化された分譲共同住宅・団地の管理組合や管理受託会社・スマートホーム化された賃貸住宅の所有者や管理受託会社
・共用スペースや賃貸している住戸に設置する機器の選定と、機器や ネットワークの管理・運用を適切に行う
・機器やサービスの用途・用法をまもる
スマートホームの住まい手
・信頼できるIoT機器やサービスを選ぶ
・IoT機器やサービスを正しく設置、設定するサービスの用途・用法を 守って使う
・個人情報を自分で守る
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YKK AP 株式会社 発行「メディアレポート 2021.07」
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