住宅の省エネ化がこれまで以上に強く求められている。 政府は「地球温暖化対策計画」(平成28年5月に閣議決定)において、2030年度の温室効果ガス総排出量を、2013年度比で26.0%削減するとの目標を掲げた。「家庭部門」だけをみると約4割もの削減が目安だ。非常に高い目標といえ、家庭部門のエネルギー削減のベースとなる住宅の省エネ化をさらに強く進めていく必要がある。 その一方で、居住者の省エネ意識も急速に高まっている。ゼロエネルギー住宅という言葉も一般化し、住宅の断熱化・気密化について高い意識を持つ住宅需要者が増えている。家庭の年間エネルギー消費量は17.1万円 先に環境省が発表した「平成29年度家庭部門のCO2排出実態統計調査」の結果によると、世帯当たりのエネルギー(電気、都市ガス、LPガス、灯油)に対する支払金額は年間17.1万円、エネルギー消費量は33.2Gj 。 「地球温暖化対策計画」の目標を踏まえると、支払金額で10万円強、エネルギー消費量で約20Gj にする必要があるということだ。窓の性能向上が省エネ化のキホン 住宅の省エネ化を高めるには、まず、構造躯体の断熱性などを高めたうえで、省エネ設備などを導入することがポイントになる。さらに太陽光発電などの創エネ機器を導入し、HEMSなどでエネルギー制御を行なえればさらに性能を高めることができる。 例えば、寒冷地(北海道・東北・北陸)を除く地域の戸建住宅について、二重サッシまたは複層ガラスの有無別に年間エネルギー消費量を比較すると、「すべての窓が二重サッシまたは複層ガラスである」世帯は38.3Gj、「ない」は42.4Gj であり、「すべての窓にある」世帯は「ない」世帯に比べて約1割エネルギーを削減できる。さらに「暖房費」だけに ..
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