耐震診断を行ったにも関わらず「耐震補強工事を考えにくい(しなかった)」のはコストとあきらめが主な原因。巨大地震の発生が予想されるなか住宅の耐震補強が強く求められているが、耐震リフォームの提案において居住者にあわせた説明、資金計画の提案などが求められそうだ。 日本木造住宅耐震補強事業者協同組合によると、2006〜2019年に耐震診断を行った2万7235棟のうち、「倒壊する可能性が高い」(評点0.7未満)は2万231棟と4分の3を占める。さらに「倒壊する可能性がある」(評点0.7〜1.0未満)を加えた「現行の耐震基準を満たしていない住宅」は9割を超える。 1950〜1980年に旧耐震基準で建てられた住宅は97%超えが「倒壊する可能性が高い+倒壊する可能性がある」住宅であるが、1981〜2000年5月に建てられた住宅( 81-00住宅=新耐震基準のうち、接合部等の規定が明確化される以前の住宅)においても86%近くが「倒壊する可能性が高い+倒壊する可能性がある」住宅だ。 こうした診断結果が出ているにもかかわらず、耐震補強はなかなか進まない。 同組合が耐震診断を行った人で、かつ耐震補強工事を考えていない人344人を対象に、耐震補強工事を考えにくい理由を尋ねたところ、「補強費用が高い」が約45%とトップで、「地震がきたら仕方がない」(27%)、「建て替えを検討」(13%)と続いた。「いっそ建て替える」と考える人は除き、「仕方がない」とあきらめている人も4人に1人いる。 同組合では、「最優先は費用負担を抑えた補強プラン」とコストへの配慮を提案するとともに、「大地震後に同居していない家族に心配をかけることや、避難所生活の実態などを伝えることも必要」と地震により住まいが倒壊することがどのような ..
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