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2024/10/03 17:00 - No.1431


第37回 設備編「エアコンについて(7)」


省エネのキホン
堤 太郎

2024/10/03 17:00 - No.1431

 


今回はエアコンについての最終回です。
前回に続いてまとめ的な内容をお伝えしますが、まずは、つい先日に起きた災害に関して触れないわけにはいきません。

■これからも増える異常気象、甚大な水害

皆さまご承知のように2024年9月21日、またもや能登半島に災害が起きました。

石川県の能登半島北部を襲った記録的大雨から1週間経った9月28日時点の報道によると、今回の大雨によるとみられる死者は13人にまで増え、それに加えて安否不明者も捜索中です。
また徐々に解消されてきているとのことですが3,641戸が断水中、約940戸で停電が続き、県が管理する国道や県道の28カ所が通行止め、輪島市や珠洲市など27カ所の避難所に計456人が身を寄せ、衛生環境の悪化や心身の疲弊による災害関連死も懸念されています。

大雨による被害の現地状況は下記のサイトでも公開されています。
能登半島大雨 被災状況マップ
読売新聞 2024年9月22日~
https://www.yomiuri.co.jp/noto-heavyrain-map?fbclid=IwY2xjawFfApZleHRuA2FlbQIxMAABHboMNYd6r7hHEZfY06-5xQb1watAJBHpiBuNhlh6BU-K8tE3LpCK_cq78w_aem_JJw3FYdJ7vMs0qRAsGATlQ

直接の原因としては、事前に想定されていたよりも顕著に現れた線状降水帯による過去最大級の大雨ということになりますが、そもそも、特に降雨量に関しては各地で毎年のように「過去最大の」という表現が続いていると感じませんか?

その主要な要因として、日本を取り巻く海面水温の上昇が関係していることはさまざまな箇所で指摘されています。
※参考:日本近海の海面水温の長期変化傾向(気象庁)
https://www.data.jma.go.jp/kaiyou/data/shindan/a_1/japan_warm/japan_warm.html#:~:text=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%BF%91%E6%B5%B7%E3%81%AE%E6%B5%B7%E9%9D%A2%E6%B0%B4

見えてくるのは、
地上での平均気温が上昇
→海面水温も上昇
→海面から蒸発する水蒸気量が増加
→気候(温度・湿度)の性質が亜熱帯化
→降雨の際の降り方(ゲリラ豪雨や線状降水帯)や降雨量そのものが増大
という流れとなります。

この流れは、年間の平均気温が上昇し続ける限り、より顕著となっていくのは間違いないでしょう。

地震と同じく、どこで起きてもおかしくないという認識で、これからますます頻発するであろう豪雨に対しても、「地震+豪雨災害が複合する災害への備え」という観点で、個人から行政までの取り組みが求められていると思います。

そしてエアコンに話を戻しますと、「気温上昇に伴う水蒸気量の増大」という点から、「夏がどんどん蒸し暑くなる」ということが言えます。

室外から侵入する水蒸気は「潜熱」として、室内で発生する内部発熱と相まって冷房負荷を増やす方向に働きますので、夏場のエアコンの負担がどんどん増えていくわけです。

冷暖房負荷の構成については、第35回でもお伝えしていますが、一般的な住宅の冷暖房設備としてエアコンに求められる役目は、

 
堤 太郎
一般社団法人 みんなの住宅研究所

一般社団法人 みんなの住宅研究所 代表理事/株式会社 M's構造設計所属。一級建築士、CASBEE戸建評価員、BISほか。1966年奈良県生まれ。1990年摂南大学工学部建築学科卒業。関西商圏のビルダーに27年勤務し、主に2x4工法(枠組壁工法)の戸建住宅設計に携わる。2013年にドイツのフライブルクをはじめとした各地の研究機関・企業等をツアー視察した後、ATC輸入住宅促進センター(大阪市)主催の省エネ住宅セミナーにて、企画のアドバイスやパネルディスカッションのコーディネーターとして複数参加。2018年にM’s構造設計に参加、「構造塾」講師や「省エネ塾」の主催、個別コンサルタント等を行っている。

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