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2024/05/28 11:00 - No.1400


第35回 設備編「エアコンについて(5)」


省エネのキホン
堤 太郎

2024/05/28 11:00 - No.1400

 


引き続き「設備」をテーマとして「省エネのキホン」的考察を進めます。
今回もエアコンに関する続きです。

しかし……前回まで暖房の話題をしていたのに、あっという間に夏も目の前、冷房を検討する時期となりました。季節がめぐるのが早い(笑)!

エアコンに関しては本格稼働する前に、まずは大事な作業があります。

それは、ちゃんと機能するかどうかの「動作確認」です。

設置直後の場合を除き、1シーズン以上経た機器は、早めに試運転をして、(設定室温となるよう)意図した低温の冷風が出るかどうか等の点検が不可欠です。

圧縮と膨張のサイクルで求める熱を作り出す室外機(ヒートポンプ)から熱を室内機(送風機)へ届け、かつ回収する「熱の運搬役」として重要なガス(冷媒)が減っていると、いくら電力を消費しても、望む効果が得られません。

加えて「(いわゆる)ガス抜け」もさることながら、他の機械的な故障でまったく作動せず、修理も不可な状態であれば、機器の交換しか手はありません。
もし、そのような状態が1番厳しい真夏に起きたら……
下手をすれば数日は過酷な状況が続き、ご家族の健康を害する可能性も出てきます。

この点については、住宅の断熱・気密の高性能化によりエアコン台数が減ることにより、故障時の影響が大きくなるというデメリットとして挙げられます(もちろん、この点のみで高性能化自体を阻むものでないことはご理解いただけるかと思いますが)。

ですので、本格的な夏場を迎えるまでにエアコンが正常に作動するかどうかを早めに点検しておくというのは、毎年の、とても重要な「住まい方」です。

 
堤 太郎
一般社団法人 みんなの住宅研究所

一般社団法人 みんなの住宅研究所 代表理事/株式会社 M's構造設計所属。一級建築士、CASBEE戸建評価員、BISほか。1966年奈良県生まれ。1990年摂南大学工学部建築学科卒業。関西商圏のビルダーに27年勤務し、主に2x4工法(枠組壁工法)の戸建住宅設計に携わる。2013年にドイツのフライブルクをはじめとした各地の研究機関・企業等をツアー視察した後、ATC輸入住宅促進センター(大阪市)主催の省エネ住宅セミナーにて、企画のアドバイスやパネルディスカッションのコーディネーターとして複数参加。2018年にM’s構造設計に参加、「構造塾」講師や「省エネ塾」の主催、個別コンサルタント等を行っている。

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