リフォーム産業新聞の編集長、金子裕介です。当連載では、リフォーム業界の最新トレンドの動向をご紹介します。
第21回は「リフォーム産業新聞編集長が選ぶ2022年上半期3大トピックスとは?」というテーマでお送りします。
2022年も折り返しです。上半期はどんなニュースがあったのか。リフォーム産業新聞の中から編集長視点で気になった話題を取り上げ、解説します。
◆リノベーションは本当にエコだった
カーボンニュートラルやSDGsといったキーワードが様々なメディアで取り上げられ、多くの経営者が環境に配慮した経営を進めています。リフォーム業界でももちろんそうなのですが、そもそもリフォームというビジネス自体が、新築に比べて環境に優しいのでは、それなら検証してみようという動きが広まっています。
リフォーム産業新聞5日23号では以下の特集を組みました。
■「新築偏重時代に終止符を」 リフォームでCO2排出最大7割減...三井、住友、東大、リノベるが立証
https://www.reform-online.jp/news/reform-shop/21209.php
この記事は、新築建て替えに比べて、リフォーム(リノベーション)は二酸化炭素排出量がどれだけ少ないのか、という研究を大学教授などと行った取り組みをリポートしています。
リノベる、というリノベーション会社が国士舘大学の教授らと研究したケースでは、リノベの方が76%も二酸化炭素排出量が少ないという結果がでました。
この記事にはたくさんの読者から反響がありました。以下、私が直接受けた事業者の声です。
「リノベーションはエコだとは感じていたが、これまで根拠となる数字がなかった。数字で判明したのは画期的だ」
「自分たちがやっていたリフォームビジネスは環境にも良い事業だと誇れる気持ちになった」
今後このような研究がさらに進み、社会全体の環境意識が高まれば、エコだからリノベーションを選ぶ、という選択をする消費者もでてくるのではないでしょうか。
新築業界では、省エネ基準義務化とか太陽光設置義務化とかで盛り上がっています。が、私は大前提としてもっと既存の住宅を活用してリフォームして住むようになれば、より環境に優しい社会になるのではと思っています。
◆家電量販店の影響力拡大
家電量販店が進化しています。東京・池袋にあるヤマダデンキに取材に行ったところ、巨大なフロアに家具、ベッドがずらり。そして、当たり前のようにキッチンやトイレなど、リフォーム商材も数多く展示されています。
家電量販店が水回り系リフォームに本腰を入れ始めたのは、10年ほど前だと思いますが、今、一体どれだけの量販店がリフォーム事業に取り組んでいるのか。その謎を解き明かそうと、6月20日号で以下の特集を組みました。
■全国986店!家電量販店のリフォーム進出加速、ヤマダHD売上700億円達成、エディオン、ビック、上新も好調
https://www.reform-online.jp/news/appliances/21341.php
家電業界には大手が7社あるのですが、リフォーム事業に取り組むのは4社あります。今回の特集で明らかになったのは、その4社のリフォーム対応店舗を足し合わせると、987店もあるということです。
この数を知って思ったのは、国内の主要な都市を網羅する数であり、それはつまり、
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