◆はじめに当連載記事では、管理組合を対象とする「コンサルティング」や「顧問業務」などを生業にしている "マンション管理士としての経験とノウハウ" をもとに、昨今の業界の動向などをテーマに取り上げ、『マンション管理に携わる皆様に役立つ情報』を提供していきたいと思います。◆駐車場収入の減少と修繕費の増加に悩む管理組合都内にある顧問先のマンションでは、まもなく臨時総会を開催し、機械式駐車場の設備更新と平面化工事を実施するための議案を審議する予定です。このマンションには、現在全22区画(平置き1区画を含む)の駐車場がありますが、現状の月極契約数は9台で、稼働率は4割強にとどまっています。(下図参照:「顧問先マンションの駐車場利用台数の推移」)その結果、管理組合の駐車場収入はピーク時に比べて年間3百万円以上減少しました。マンション内の居住者を対象にアンケートも実施しましたが、機械式ならではのサイズ等の制約や使い勝手の悪さなどの指摘もあって、今後も稼働率の回復は見込みづらい状況です。一方、築20年を超えて設備の老朽化が進行しており、今後部品交換などの修繕費が嵩むことが予想されます。また、設備の半分以上が事実上遊休化している中、多額の資金を投入して現状の設備をそのままリニューアルすることについて疑問の声が挙がるようになり、駐車設備の撤去・平面化の検討を開始したのが今から2年前のことです。ただ、このマンションの敷地は間口が狭く奥行きが長い形状のため、設備を全て撤去すると必要な駐車区画数を確保できないことがわかりました。そのため、16台の立駐ユニットを8台の新ユニットに交換するとともに、5台分の立駐ユニットを2台分の新平置き区画に改装することで合計11台(現平置き1区画を含む)の駐車場にリニュー ..
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