◆はじめに
当連載記事では、管理組合を対象とする「コンサルティング」や「顧問業務」などを生業にしている "マンション管理士としての経験とノウハウ" をもとに、昨今の業界の動向などをテーマに取り上げ、『マンション管理に携わる皆様に役立つ情報』を提供していきたいと思います。
令和5年度の税制改正に伴い、「マンション長寿命化促進税制」が創設されました。
今回は、本制度の概要と注意すべき点についてご紹介します。
◆「マンション長寿命化促進税制」の概要
(1)本制度が措置された背景
多くの高経年マンションにおいては、計画修繕工事に必要な修繕積立金が不足しています。計画修繕工事が適切に行われないと、外壁剥落・廃墟化を招き、周囲への悪影響や最終的には建物の除却等に伴い多額の行政負担が生じるおそれがあります。
このため、必要な積立金の確保や適切な長寿命化工事の実施に向けた管理組合の合意形成を後押しすべく、「長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに対する特例措置」(マンション長寿命化促進税制)が創設されました。
(2)制度の概要
管理計画の認定を受けたマンション等において、「長寿命化工事」(外壁塗装等工事、床防水工事及び屋根防水工事)が実施された場合に、その翌年度に課される建物部分の固定資産税額が減額されます。
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