当連載記事では、マンション管理士として豊富な経験と実績を持つコンサルタントが、管理組合が抱える様々な問題やお悩みを解決した事例、あるいは関係法令等の改正を含め管理組合にとって影響の大きい昨今の業界動向などをテーマに、『マンション管理に携わる皆様に役立つ情報』を提供してまいります。
筆者が現在顧問として組合運営をサポートしているマンション(神奈川県所在)で、管理委託費の大幅削減によって財政赤字の黒字化に成功した事例を紹介します。
<コンサルティング対象物件の概要>
■ 延床面積 :4,773㎡
■ 構造・階数:鉄筋コンクリート造 地上5階 地下1階
■ 総戸数 : 55戸(ファミリータイプ)
■ 竣 工 :1996年2月
■ 駐車場 :36台(うち機械式設備:21台)
◆管理組合からの相談内容
以前、当社のセミナーに参加したことのある理事さんから、「管理会社の運営が杜撰なうえ、管理組合の会計収支も赤字に陥っているため管理委託契約を見直したい」との相談を受けました。
その後、理事会で当社の業務内容について説明したところ、まずは有償にて「管理コスト適正化診断」を実施することになりました。
◆管理委託契約の診断結果
管理組合から委託契約書や決算書、長期修繕計画書などの資料を提供してもらい、現地調査を実施のうえ、以下の通り診断しました。
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