◆着実に広がりつつあるインスペクション
◆既存戸建住宅の購入者で約7割が実施
不動産流通経営協会の「2021年度消費者動向調査」で、既存戸建住宅の購入にあたって約7割が何らかの建物検査(インスペクション)を行っていたことが明らかになった。
この調査は、首都圏1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)で2020年4月~2021年3月末までに購入した住宅の引渡しを受けた世帯を対象としたもので、回答数は1255。このうち既存住宅購入者は937(建て方不明含む)で、内訳は戸建275、マンション648となっている。
既存住宅購入者のうち既存住宅を中心に探した割合(既存住宅のみ+主に既存住宅)は49.8%と約半数を占めている。既存住宅の購入理由は「希望エリアの物件だったから」(69.7%)、「手頃な価格だったから」(69.7%)が約7割と最も多く、「良質な物件だったから」(51.0%)、「新築にはこだわらなかったから」(33.1%)と続く。特に「良質な物件だったから」は3年連続の増加であり、前年の47.0%から今回は5割を超えた。
既存住宅購入にあたっての建物検査の実施状況は、不動産会社等による住宅保証の利用率は51.0%、うち建物保証の利用は33.3%。住宅保証を利用した人の67.6%が、不動産会社等による住宅保証が住宅購入に多少なりとも影響したと回答している。
既存住宅購入にあたっての既存住宅売買瑕疵保険(国が指定する住宅瑕疵担保責任保険法人が提供する保険)の利用率は15.0%。住宅購入への影響度は66.0%であり、特に既存戸建住宅では82.5%と8割を超えている。
一方、前出の不動産会社等による住宅保証や、既存住宅売買瑕疵保険の利用にあたって実施された検査を除き、民間の建物検査(ホームインスペクション)を行った割合は、「既に売主が行っていた」が17.3%、「売主に依頼して行ってもらった」が5.7%で、合計23.0%となった。
これらを含め、既存住宅の購入にあたって何らかの建物検査を行った購入者は既存住宅購入者の46.6%。内訳は既存戸建住宅購入者が69.1%、既存マンション購入者が37.8%と、既存戸建住宅購入者の割合が約7割に達している。前年度は65.5%であり、3.6ポイントの増加と、着実に広がりつつあるようだ。
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