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2017/04/11 10:00 - No.80


第2回 都市部におけるZEH化の取り組み 中編


ZEHの教科書 事例研究編
大菅 力

2017/04/11 10:00 - No.80

 
東京の工務店、セイズのZEHへの取り組みを伝える第2回。今回はZEH申請に関する実務上の課題を中心にお伝えしていく。同社が、ZEHに取り組んでみて感じたことの1つが、募集スケジュールと営業期間の関係が整理されていないこと。今の仕組みだと、補助金の募集開始が発表された直後から申請期間が始まる。「確実に補助金を取得するには早期に申し込む必要があるが、事業開始の前から建主を探しておかないと間に合わない。とはいえ実施日が決まっていない補助金を案内することは難しい」と藤村さん。ただでさえZEH申請の件数は増えているので、申請しても補助金が確実にもらえるとは言えない状況だ。また、ZEHの提案が即受注につながるわけでもない。「営業の場面での提案の仕方はなかなか難しい」と藤村さんは説明する。設計者の手間が増える申請作業の面で見ると、設計者の手間が増えることは間違いないという。「確信申請ための設計図書をまとめるための作業時間と、ZEH申請の資料をまとめるための作業時間はほぼ同等。それなりの時間を使う」と設計部の佐々木一真さんは語る。同社の場合、設計担当者と現場監督はともに4名で回しており、通常だと確認申請後は設計者の手をほぼ離れる。「ただし、ZEHの場合、工事中のかなり細かい記録写真が必要になってくる。これを現場監督に担ってもらうのは難しいので、設計者の役割になる」と藤村さん。ZEHは現場が終わってからも業務が残る。完了報告書だ。この作成にも手間がかかる。ほかの仕事と重なってくると、仕事に支障をきたす。そのあたりも考慮すると、ZEHは年間に2棟が限度だという。工事記録写真の最後は交付されたZEHシールを撮影すること。撮影方法まで指定されている都市部特有のZEH化の障壁都心部においては、ZEH化を ..
 
大菅 力
フリーランス

1967年東京生まれ。早稲田大学第二文学部中退後、木材業界雑誌の出版社を経て1994年株式会社建築知識(現 株式会社エクスナレッジ)入社。月刊「建築知識」、季刊「iA」などの建築、インテリア専門誌の編集長を務める。2010年退社。 現在フリーランスとして、季刊「リノベーションジャーナル」(新建新聞社刊)の編集長を務める。主な著作に「リフォーム 見積り+工事管理マニュアル」(建築資料研究社)、「世界で一番やさしい仕上材(内装編)」(エクスナレッジ)、「心地よい住まいの間取りがわかる本」(エクスナレッジ)などがある。

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