はじめまして、フィンランドのヘルシンキ在住の大村裕子です。フィンランドの建築について住宅を中心に、建築士の視点でレポートしていきます。
フィンランドとは
フィンランドはどんなイメージがありますか?日本ではサウナ、ムーミン、オーロラが有名でし ょうか。
北欧の国フィンランドの大きさは日本とほぼ同じですが、人口は約 550 万人です。森林が国土 の約 7 割を占め、湖が約 19 万個もあります。平坦で高い山がありません。緯度が高いため、夏には白夜があります。
北欧は他のヨーロッパに比べて、英語がよく通じて、暮らしやすいです。言語が得意な人が多く、 何か国語も話す人も珍しくありません。実は地理的に、フィンランドはヨーロッパの中で一番日本に近い国です。直行便があり、約 9 時間のフライトで到着します。
フィンランドの湖と森
建築としては、構造や仕上げ材として木がよく使われます。また冬の厳しい寒さのための断熱が重要です。冬は白夜の反対で日照時間が短くなるので、光をどううまく取り入れるかが課題になります。光をうまく取り入れた建築が多いと感じます。
ポルヴォーの街並
ミュールマキ教会 ユハレイヴィスカ設計 photo: Asako Hashimoto
自己紹介
2013 年からフィンランドに住んでいます。東京出身、北海道にて大学を卒業後、スウェーデンハウスという輸入住宅メーカーに 16 年在籍していました。北海道、千葉、東京を中心に注文住宅、別荘などを設計していました。
その後実際に自分の目で、北欧の住宅、ライフスタイルを見てみたいという気持ちが強くなり2012年にスウェーデンへ渡りました。スウェーデンの建築事務所では、マンションのリノベー ション提案、別荘設計をしました。
スウェーデンでの増築打ち合わせにて
その後フィンランドの建築事務所では、サウナや個人住宅の設計をしました。現在はフィンランド、デンマーク、スウェーデンでの建築視察ツアーを企画、手配しています。
アアルト自邸での建築ツアーの様子
記事テーマ
次回からレポートするテーマをご紹介します。
1. ハウジングフェア
日本の住宅展示場に似ているのですが、夏の1か月間のみ一般公開され、終了後実際に住み始める街となります。
2. サウナ
サウナは実はフィンランド語。住宅設計にはサウナがかかせません。
3. リノベーション事例
新築が少ないフィンランド。中古物件をリノベーションをして価値が上がれば、購入価格より高く販売することも可能です。
4. サマーコテージ
フィンランド人は夏になると湖のそばのサマーコテージで過ごします。
5. フィンランド ライフスタイル
夫婦ともに働き、一緒に子育てをするのがあたりまえ。大人も夏休みは 1 か月あります。
6. フィンランドお宅訪問
フィンランド人の実際の暮らしを紹介します。
7. CLT (直交集成板)高層住宅
住宅の歴史は丸太のログハウスから始まり、木造、コンクリートと移り変り、そして今また木造が注目されています。
8. 巨匠アルヴァ・アアルトによる住宅
フィンランドを代表する建築家アルヴァ・アアルト。日本はもちろん世界中から、フィンランドへ建築ファンがアアルト巡礼に訪れます。
次回は 1. ハウジングフェア を紹介します。お楽しみに。
アカデミア書店 設計アルヴァ·アアルト