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2022/07/12 07:30 - No.1188


第34回 四号特例見直しについて(その2)


「構造塾」佐藤実氏の『本当にヤバイ木構造の話 ~これからの木造住宅の耐震性能』
佐藤 実

2022/07/12 07:30 - No.1188

 


デザイン・快適性・省エネ性能と同時に「構造安全性」はとても重要です。
全国で「構造塾」を展開する株式会社 M's構造設計の佐藤実氏より分かりやすく木構造の大切さと重要ポイントを解説していただきます。

今回は「
四号特例見直しについて(その2)」です。(前回記事はこちら



◆そもそもなぜ、四号特例を一部見直すのか?

すでに解説の通り、四号建築物は法第20条において、簡易的な構造安全性確認である「仕様規定」のみ求められています。しかしこの仕様規定に関しては、法第6条の4(建築物の確認の特例)にて、建築士が設計している場合、建築士の責任の下、確認申請時に審査が省略(図書省略)されています。これがいわゆる「四号特例」です。

しかしこの四号特例、確認申請時に構造関連図書の省略により審査省略されるだけなのに、建築士や建築業者は都合よく解釈を行い、図書省略→構造検討省略となってしまっている現状があります。


この四号特例は、いつから行われているのか?
実は昭和59年から続いている制度です。


昭和56年(1981年)に法改正により耐震性能が強化されました。新耐震基準と呼ばれ、木造建築物は、令46条壁量計算が見直され、現在の壁量計算となりました。しかし、法改正の3年後の昭和59年(1984年)に四号特例は始まっています。ということは、このあたりから四号特例の都合良い解釈、誤解をしている建築士、建築業者は存在していると思われます。その後、平成7年(1995年)に阪神淡路大震災が発生しました。木造住宅の被害調査により、壁の配置バランス、柱頭柱脚の接合などの重要性が確認され、平成12年(2000年)に法改正が行われ、仕様規定は強化されます。令46条の壁量計算に、壁の配置バランス「四分割法」、耐力壁両端の柱の柱頭柱脚の接合方法「N値計算」などが追加されました。しかしこれもまた、四号特例が存在している状況では、法改正に対応しているとは考えにくいと思います。そもそも法改正が行われた事実すら知らない建築士、建築業者も多いと思います。


◆耐震偽装問題で大きく動いた四号特例廃止

こんな状況の四号特例ですが、平成17年(2005年)の耐震偽装問題の時期に、

 
佐藤 実
株式会社M's(エムズ)構造設計

1968年新潟県生まれ。1990年東北工業大学工学部建築学科卒業。㈱佐藤住建を経て、2006年㈱M’s構造設計設立、現在に至る。2010年東京大学大学院修了。2010年「構造塾」を設立、木質構造に関するセミナー、構造計算技術者育成講座を開催。著書に、最高に楽しい木構造入門(エクスナレッジ)、楽しく分かる!木構造入門(エクスナレッジ)がある。

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