デザイン・快適性・省エネ性能と同時に「構造安全性」はとても重要です。
全国で「構造塾」を展開する株式会社 M's構造設計の佐藤実氏より分かりやすく木構造の大切さと重要ポイントを解説していただきます。
今回は「4号特例縮小の影響力と対応策」です。(前回記事はこちら)
◆4号特例縮小の影響力
2025年4月の建築基準法改正による4号特例縮小について、2023年8月の国交省発表情報によると、仕様規定の令46条壁量計算が1981年以来44年ぶりに改正されます。令46条壁量計算は、必要壁量が約2倍に増えます(以下、方法②)。また、より詳細な壁量計算として、「個々の建築物の荷重の実態に応じてより精緻に検証する方法」(以下、方法①)が早見表、エクセルによる簡易計算ツールとして出てきます。
この、方法②および、方法①による壁量計算の強化は、2030年の省エネ法改正により、断熱等性能等級5が義務化の時に行われるものと思われていました。しかし、2025年の4号特例縮小の段階で壁量の強化が行われることになります。
*2022年10月28日国交省発表資料より
●方法①:個々の建築物の荷重の実態に応じてより精緻に検証する方法
●方法②:簡易に必要な壁量を確認する方法(従来の壁量計算)
●方法③:構造計算により安全性を確認する方法
これら、壁量の強化については、とても良い流れですが、問題もあります。
まず、壁量が増える理由は、木造住宅が省エネにおいて高性能化する事による重量化です。具体的には、建物の断熱性能が上がることで、断熱材や高性能サッシなどにより建物が重くなる、建物が重くなると作用する地震力が増える、したがって、壁量を増やす必要があるということです。
問題点は、壁量が増えることではありません。現在の令46条の壁量は、あまりにも少なすぎるため、必要壁量が約2倍に増えても間取りに影響があるほどの壁量ではありません。問題なのは、
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