◆今後30年間に震度6弱以上の地震が発生する確率は?
◆首都圏~四国の太平洋側に集中、北海道南東部、仙台平野も要注意
文部科学省・地震調査研究推進本部地震調査委員会が「全国地震動予測2020年版」を発表した。同委員会は、防災意識の向上や効果的な地震防災対策を検討する上での基礎資料として活用することを目的に、地震動予測地図を更新、公表してきた。今回、2019年に「日本海溝沿いの地震活動の長期評価」と、2020年に「南海トラフ沿いで発生する大地震の確率論的津波評価」が公表されたことを受け、同地図を更新した。
今後30年間に震度6弱以上の地震発生確率が高い地域は、プレート境界に近い首都圏から四国にかけての太平洋岸に集中している。確率が高いのは、北海道南東部や仙台平野の一部、首都圏、東海~四国地域の太平洋側、糸魚川~静岡構造線断層帯の地域などとなっている。前回発表の18年版に比べ、東北地方や関東地方北部の太平洋側では、東北地方太平洋沖地震後の地震活動を考慮したため確率が上昇した。
一方、都道府県庁所在地の市役所の確率値では、最も高かった地域は水戸、次いで根室、高知、徳島、釧路、 静岡といった順となった。南海トラフ側や北海道南東部の地域で高くなっている。
同予測は、最新の知見に基づくものだが、使用できるデータに限りがあることから、同推進本部事務局では 「結果的には不確実さが残る」とし、今後の調査でこれまで知られていなかった過去の地震や活断層の存在が明らかにされて確率が上がる可能性があるとしている。「日本国内で相対的に確率が低い地域でも油断は禁物」と注意を喚起している。
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YKK AP 株式会社 発行「メディアレポート 2021.07」
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