◆サービス付き高齢者向け住宅の支援を拡充
◆省エネ対策や災害対策、バリアフリー強化に上乗せ
国土交通省は、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の補助事業を拡充する。
サ高住は「高齢者の居住の安定確保に関する法律」の改正によって平成23年に創設されたもので、バリアフリー構造や、生活者の状況把握・生活相談サービスを備えた住宅を「サ高住」として都道府県などに登録する制度。登録基準は、住戸に対して各住戸の床面積が原則25㎡以上、各住戸に台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室を備えたものであること、バリアフリー構造であることが求められる。また、必須サービスとして、少なくとも状況把握サービス、生活相談サービスを提供していることを求めている。
このサ高住の整備を推進するため、国は建設費補助、固定資産税や不動産取得税の緩和措置の優遇税制を設けている。また、(独)住宅金融支援機構による建設資金の融資も実施されている。
新たに加わった要件は、「新築は原則として省エネ基準に適合すること」、「浸水被害防止区域に原則該当しないこと」、「市町村地域防災計画に位置付けられたサ高住について、避難計画を策定し、避難訓練を実施すること」という3項目。
補助については、新築の戸当たり限度額は変わらないが、ZEH相当水準の場合は限度額を1.2倍とし、車椅子使用者に必要な空間を確保した便所や浴室などを設けると10万円/戸を上乗せする。
改修については、「省エネ性能の向上のための構造・設備の改良に係る費用」と「再生可能エネルギー等設備の設置に係る費用」が対象に加えられた。
また、既設改修については、「車椅子使用者に必要な空間を確保した便所や浴室などの改修に係る費用」(限度額150万円/戸)、「止水板設置等の整備に係る費用」(35万円/棟)、「省エネ性能の向上のための構造・設備の改修に係る費用」(35万円/戸)、「再生可能エネルギー等設備の設置に係る費用」が対象に加えられた。
新たに創設された「再エネ等設備」への補助は、太陽光発電・蓄電池は全量自家消費であること、災害後の停電時に電源が確保できる仕様であることなどが要件で、補助率10分の1、限度額はあわせて4万円/戸。太陽熱温水器が補助率10分の1、限度額が2万円/戸となっている。
省エネ、災害対策、そしてバリアフリー対策の強化を図る支援制度の拡充となっている。
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YKK AP 株式会社 発行「メディアレポート 2022.06」
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