◆IPCCが気候変動で報告書
◆住宅からの温室効果ガス排出量は30年間で50%増
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表したIPCC第6次評価報告書第3次作業部会(AR6/WG3)報告書量はによると、住宅から排出される温室効果ガスの1990年からの30年間で50%増加した。
住宅の性能改善によって排出量が部分的に減少した一方で、主に一人当たりの床面積の増加、人口増加、排出量の多い電気と熱の使用の増加によってもたらされたものである。
世界全体で年間に排出される温室効果ガス600億t(2019年)のうち2割が住宅・建築物から発生する。建築と改修を含めた年間排出量は建築物から発生する。建築と改修を含めた年120億t(2019年)。
一方、「自足」、「省エネ」、「再生エネ」の3つの政策で、2050年までに61%が削減できることも分かった(図1)。2030年までの10年間は、 ノウハウの習得、技術的・制度的能力の構築、適切なガバナンス構造の設定などをする極めて重要な時期であると指摘する。
報告書は、パリ協定で合意された「世界年間気温の上昇を1.5度未満に抑える」という目標の達成には現行の政策では不十分とし、目標達成に必要な方法はたくさんあり、それらをすぐに採用しても世界のGDPは成長し続けると発信した。緩和策をほかの政策と組み合せることで、緩和を加速することができる。
また、段階ごとの緩和策として、住宅分野では、設計段階で消費者のニーズの変化を見越して、大きさや形を変えられるようにすることや、既存建物の再利用を促した。建設段階では、排出量が少ない建材を使うことを挙げ、使用時には再生可能エネルギーや効率的な電化製品の利用などを提案した。
都市については、「より持続可能な生産と消費に向けたエネルギーと材料の使用を削減または変更」、「低排出エネルギー源への切り替えと組み合わせた電化」、「都市環境における炭素の吸収と蓄積の強化」を同時に実施することが効果的だと分かっている。
温室効果ガスの排出量については、ドイツやフランスなどの少なくとも18か国は10年以上削減を維持していることも紹介した。
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