国土交通省は、2020年4月施行の民法改正を受け、住宅建設の請負契約で使う「建設工事標準請負契約約款」の見直し作業を進めている。 1896年に制定された民法は、私人相互の権利や義務などに関する私法の基本法。これまで成年後見人制度や担保・保証関係など見直しが行われているが、売買など契約関係を規定する債権分野での改正はほとんどなされてこなかった。しかし、インターネットの普及や取引の複雑化など社会・経済情勢が大きく変化していることもあり、今回、大幅な見直しが行われた。 住宅産業に係る改正としては、例えば、「瑕疵担保」が「契約不適合」に変わり、「瑕疵担保責任」は「債務不履行責任」という言葉に変わった。今後、契約された内容に「不適合なもの」が引き渡された時に生じる責任が問題となる。 また、瑕疵担保責任がなくなる「除斥期間」が「消滅時効」となり、権利を行使できる時から10年間もしくは権利を行使できるコトを知った時から5年間のどちらか短い期間となる。 こうした新しい概念に変わる改正に、住宅関連事業者は請負や売買のルールをあらためて確認する必要がある。11月をめどに改正案をとりまとめ 国土交通省の中央建設業審議会は、民法改正にあわせた建設工事標準請負契約約款の改正を行うため「建設工事標準請負契約約款改正ワークキンググループ」(座長:大森文彦弁護士・東洋大学法学部教授)を立ち上げ、その見直し作業に着手した。 「瑕疵担保」を定める現行の約款では、現行の民法における建物などの請負人の瑕疵担保責任の存続期間の規定を映し、修補、損害賠償それぞれの請求期間の制限を「引渡しを受けた日から○年以内」としている。しかし、改正民法では「瑕疵担保責任」の規定が削除されたため、約款の修正を検討する。また、これまで無 ..
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