リフォーム業界の専門メディア、リフォーム産業新聞編集長の金子裕介氏によるリフォーム業界の最新の動向をお伝えするコーナーです。
私は毎年「住宅リフォーム市場データブック」という書籍を作っている。リフォーム業界の、ありとあらゆるデータを集め、図やグラフで分かりやすく解説する書籍だ。
▼ 参考
住宅リフォーム市場データブック2021
このデータ本の中で、工務店に知っておいていただきたいデータがある。これだ。
リフォームしたユーザーに対し、「誰にリフォームを頼んだか」を調査したデータだ。国交省のデータなのだが、驚くべきことに、自分の家を建ててくれた工務店「以外」にリフォームを頼む人がトップなのだ。逆に、建ててくれた工務店に頼むのは14%しかいない。
なぜ自宅を建ててくれた会社にリフォームの相談をしないのだろうか。
気に入らなかった、ということも当然あるだろう。顧客満足度を高めることはなにより重要だ。
また、リフォームをやっていることを知らなかったということもある。今はリフォームをやっていない工務店は少ないので、これは会社側の説明不足が原因だ。
と、理由はいろいろあるだろうが、最も私が懸念しているのが、工務店の多くは、既存顧客の囲い込みが全く出来ていないのでは、ということだ。つまり、リフォームしたいなと思ったらまず一声かけてもらえる関係性が作れていないということ。
これから新築着工がどんどんと下がっていく中で、頼みの綱の1つはリフォームだろう。そしてリフォームを手っ取り早く売り上げるには、既存顧客からの受注が何よりも近道だ。相見積もりが当たり前の今、新規開拓は容易ではない。
ではどう既存顧客を囲い込めば良いのだろうか。ベーシックな方法を2つ紹介したいと思う。
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