リフォーム業界の専門メディア、リフォーム産業新聞編集長の金子裕介氏によるリフォーム業界の最新の動向をお伝えするコーナーです。
リフォーム産業新聞の編集長、金子裕介です。2021年3月19日、国の住宅政策のこれからを指し示す「住生活基本計画」が発表されましたね。
そこに驚きの数字が掲載されていたのを、みなさんは確認しましたか。
「既存住宅流通及びリフォーム市場の規模を、20兆円にする」
国交省によれば、2018年の、中古住宅流通(不動産売買市場)とリフォームの市場を合わせた規模は、12兆円とのことだ。これを2030年に14兆円にする。そして、「長期目標」というアバウトさはあるが、いずれ20兆円にすると、明示した。
国内のあらゆる産業を考えた場合、市場が倍近くなるようなマーケットはどれだけあるだろうか。新築戸建て市場はどうだろうか?ありえない。
そう考えると、中古住宅とリフォーム市場は「超」有望なマーケットと言える。
ここに参入しない手はない。実際、取材をしていて、中古住宅のリフォームビジネスを始める事業者は多い。
だが、始めるのはリフォーム店と、不動産仲介店ばかりなのだ。工務店がこの波に乗ってきていない。なぜだ。まだまだ新築で行けるのか?中古住宅といえども、住宅産業の1つだ。なぜか中古になると自分とは関係がない領域と捉え、自分事化しない工務店は少なくない。これが残念だ。その理由は後述する。
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