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2021/05/07 08:45 - No.1045


第16回 外皮について(8)


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省エネのキホン
堤 太郎

2021/05/07 08:45 - No.1045

 
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引き続き「外皮について」というテーマで「省エネのキホン」的考察を進めたいと思います。今回も外皮の熱貫流率の計算について、お話を続けます。(前回記事はこちら




■外皮では無視できない「熱橋」の影響

前回は、外壁の構成を想定して、実際に熱貫流率Uを計算してみました。

その際に、一口に「外壁」と言っても2種類あることをお伝えしました。
外壁を断面図として表す場合に、切断する場所で違いが出てくると考えると分かりやすいですね。

断熱材が詰まっている「一般部」と、構造材である柱や間柱のある「熱橋(ねっきょう)部」の2種類です。

おさらいの意味で、それぞれの計算結果を見てみましょう。

まずは、断熱材に高性能グラスウールHGW16Kを使用した「一般部」は


となり、この部位の熱貫流率U値は0.285(W/㎡・K)でした。

そして、柱もしくは間柱がある「熱橋部」は


となり、この部位の熱貫流率U値は0.739(W/㎡・K)でした。

「一般部」の断熱材よりも熱が伝わりやすい(=熱伝導率が高い)木材が詰まっている「熱橋部」の性能が悪い(=熱貫流率の数値が大きい)のは、計算からはもちろん、感覚的にもお分かりいただけると思われます。
加えて、改めてですが「熱を伝えやすい(=熱が渡って行きやすい)」ということから「熱橋(ねっきょう)」、別名として「ヒートブリッジ」と呼ばれるのも容易に想像がつきますね。

また前回では、
「「熱橋部」は熱貫流率U=0.739(W/㎡・K)と、断熱材が充填された「断熱部」よりもU値が約2.6倍も大きくなりました。
それはそのまま、熱が約2.6倍伝わりやすくなっている、ということですので、この部分を考慮しないと、実際よりも(性能を)過大評価してしまうことになりますね。」
とお伝えしました。

では、どのように考慮するか?

突然ですが、施工途中の、断熱・気密施工後、内装仕上げ前の現場に立っているとご想像ください。

 
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堤 太郎
一般社団法人 みんなの住宅研究所

一般社団法人 みんなの住宅研究所 代表理事/株式会社 M's構造設計所属。一級建築士、CASBEE戸建評価員、BISほか。1966年奈良県生まれ。1990年摂南大学工学部建築学科卒業。関西商圏のビルダーに27年勤務し、主に2x4工法(枠組壁工法)の戸建住宅設計に携わる。2013年にドイツのフライブルクをはじめとした各地の研究機関・企業等をツアー視察した後、ATC輸入住宅促進センター(大阪市)主催の省エネ住宅セミナーにて、企画のアドバイスやパネルディスカッションのコーディネーターとして複数参加。2018年にM’s構造設計に参加、「構造塾」講師や「省エネ塾」の主催、個別コンサルタント等を行っている。

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