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2017/01/10 13:00 - No.33


第3回 300万円で「次世代レベル」に改修する


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断熱改修の教科書
大菅 力

2017/01/10 13:00 - No.33

 

前回お伝えしたように、断熱改修の優先順位は窓、そして気流止めになる。関東以南で、既存建物に断熱施工が施されている建物であれば、これに加えて天井断熱と床断熱を非破壊で可能な範囲で行えば、相当に温熱環境を改善できる。

実際にこの手法で効果を上げているのが、東京の山善工務店だ。同社は新築の注文住宅を中心にしているが、年に2棟程度、上述の手法で断熱改修を行っている。断熱改修を望むお客さんには新築の現場から手が離れるタイミングまで工事開始を待ってもらい、1週間以内で一気に終わらせるという。

■「次世代」相当まで性能向上

この手法が有効なのは、築2030年程度の木造住宅。断熱材は施工されているが、気密化の概念がないため壁の上部と下部に隙間があり、そこから入った気流が壁のなかを流れ、断熱材が効いていない状況だ。

こうした建物に対して、床下と天井から隙間を塞いで気流を止めた上で、天井と床の断熱をやり直し、開口部を強化する。一方で壁の断熱改修は割り切って省略する。内外壁のどちらかを剥がす必要があり、費用が嵩むためだ。

断熱仕様はシミュレーションソフトで検証しながら決める。同社の場合はQPEXで計算している。上述した年代の関東に建つ建物であれば、関東なら次世代省エネ基準(99年度基準)相当に性能アップが可能で、建て主からは「冬場に零度以下になる日でも起床時の室温は1314℃」との報告を受けている。

 

断熱改修前の温熱環境

 

断熱改修後の温熱環境

この方法は、断熱の知識をもつ社長や監督が、手元1人を使って施工すればコストを抑えられる。山善工務店の場合、施工期間はトータル1週間で、工事費は200300万円だ。同社の費用を抑えながら建物全体の断熱改修を行うための具体的な手法を、次回から数回に分けてお伝えする。





第1回 断熱改修の可能性

第2回 部分断熱の優先順位

第3回 300万円で「次世代レベル」に改修する

第4回 小屋裏で作業できるかどうかで費用が変わる

第5回 気流止めのポイント

第6回 気流止めに用いる材料

第7回 天井断熱は下屋の扱いに注意

第8回 天井断熱にはブローイングが向いている

第9回 床断熱は和室の気密にも注意する

第10回 窓廻りは真空ペアガラスか内窓か


 
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大菅 力さん
フリーランス

1967年東京生まれ。早稲田大学第二文学部中退後、木材業界雑誌の出版社を経て1994年株式会社建築知識(現 株式会社エクスナレッジ)入社。月刊「建築知識」、季刊「iA」などの建築、インテリア専門誌の編集長を務める。2010年退社。 現在フリーランスとして、季刊「リノベーションジャーナル」(新建新聞社刊)の編集長を務める。主な著作に「リフォーム 見積り+工事管理マニュアル」(建築資料研究社)、「世界で一番やさしい仕上材(内装編)」(エクスナレッジ)、「心地よい住まいの間取りがわかる本」(エクスナレッジ)などがある。

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